OpenAIでCodexとChatGPTを率いるティボー・ソティオ(Thibault Sottiaux)氏が続けている「28日間、毎日ひとつ明確な改善を出す。出せない日はフルリセット」という公開の約束は、25日目を迎えました。25日目は“改善の日”。中身は、ChatGPTのPro 100・Pro 200・Pro 500と、ChatGPT BusinessのBusiness Premiumで、WorkとCodexの利用枠(使える量の上限)を2倍にする、というものです。あわせて、利用者から強い反発を受けていたPro 200の利用枠の削減計画も撤回されました。この日の発表の中身と、Pro 200の“2倍”が実際には何を意味するのか、そして中小企業や個人事業主にとっての意味を整理します。
宣言そのものは「毎日改善、できない日はフルリセット」宣言の解説記事、前日の24日目はdotsにメッセージで仕事を頼めるようになった日の記事、23日目は「明日は良い知らせ」と予告してフルリセットになった日の記事で取り上げています。
25日目は「ProとBusiness Premiumの利用枠を2倍に」
「Day 25/」の投稿は、日本時間10月30日午前1時56分ごろでした。米国西海岸では10月29日(木曜日)の午前9時56分ごろにあたります。
本文を日本語にすると「25日目。本日から、Pro 100/200/500の全プランとBusiness Premiumで、利用上限をすべて2倍にします。みなさんの温かいフィードバックを受けて、Pro 200の利用上限は減らさないことにしました。WorkとCodexの利用量はこれまでどおりです。dotsの拡大された利用枠も当面続け、dotの利用は引き続き通常の利用枠とは別に数えます。もちろん、より良いモデルや効率の改善もこれからも出していき、実際に使える量を増やしていきます」。投稿はOpenAIの公式アカウントでも再投稿され、執筆時点で表示回数は250万回を超えています。
25日目の投稿にはリセットへの言及はなく、改善だけの日です。ソティオ氏は23日目の最後に「明日は良い知らせとともに会いましょう」と予告していましたが、今回の利用枠の拡大は、その流れの延長にある大きな発表といえます。ソティオ氏は約5分後に「“リセットの会社”から“トークンの会社”へ卒業」とも投稿しています。なお、この日の発表に合わせた公式の紹介動画は、XとYouTubeのどちらでも見当たりませんでした。
何が2倍になるのか——Pro 200は“削減の撤回”が中心
OpenAIのヘルプセンターのリリースノート(10月29日付)と、Proプランの説明ページによると、変更点は次のとおりです。
- Pro 100(月額100ドル)とPro 500(月額500ドル)は、WorkとCodexの利用枠がこれまでの2倍になる
- Pro 200(月額200ドル)は、9月29日のメールで知らされていた利用枠の削減が取り消された。もともと多い利用枠を持っていた人はそのまま。少ない利用枠になっていた人は、2倍に引き上げられて同じ水準にそろう
- Pro 200は新規の申し込みも再び受け付けている
- すでに契約している人は自動で反映され、解約や再契約は必要ない
- Plusプランの利用枠は変わらない
- 常時稼働のAIエージェント「dots」の拡大枠は当面続き、dotの利用は通常の利用枠とは別に数えられる
注意したいのは、Pro 200の扱いです。ソティオ氏の投稿は「すべて2倍」と書いていますが、ヘルプセンターの説明では、もともと多い利用枠を持っていたPro 200の契約者は“そのまま”で、増えるわけではありません。OpenAI開発者コミュニティでも「削減を取りやめただけで、2倍ではない」という指摘が出ています。一方で、海外メディアのBleepingComputerは、Pro 200の既存契約者の利用枠を約半分に減らす計画が、反発を受けて撤回されたと伝えています。つまり、Pro 200の利用者にとっての“改善”は、主に「減るはずだった枠が減らなくなった」ことだと考えるのが正確です。
また、OpenAIは「利用枠が2倍になっても、終えられる作業が2倍になるとは限らない」と説明しています。使うモデルや作業の種類、設定によって消費量が変わるためです。プランごとの具体的な上限の数字は公表されておらず、Business Premiumについても、何がどれだけ増えるかの数字は示されていません。Business Premiumは8月に登場した上位の席(シート)で、通常の席の5倍の利用量があり、5時間ごとの上限がなく週ごとにリセットされる仕組みです。料金は年払いで1人あたり月100ドル、月払いで125ドルです。
OpenAIのアンドリュー・アンブロシーノ(@ajambrosino)氏も、ソティオ氏の投稿を引用して「利用上限は2倍に戻った。みなさんのフィードバックが効いた。今日、アプリをもっとシンプルに、もっと速くするための集中的な取り組みを始めた。自分が統括する」と投稿しています。
25日間の流れ——改善15回、全員向けリセット11回
OpenAI開発者コミュニティで宣言の進み具合をまとめているスレッドも、タイトルが「2X usage limits for Pro and Business Premium: Day 25」に更新され、「ProとBusiness Premiumの利用上限を2倍に」と整理されています。25日目は改善の日なので、改善は15回目、全員向けのリセットは11回のまま。宣言は残り3日です。
| 項目 | 25日目終了時点 |
|---|---|
| 明確な改善の日 | 15回 |
| 全員向けのフルリセット | 11回(2・6・8・10・13・15・17・18・20・21・23日目) |
| 残りの日数 | 3日 |
直近を見ると、22日目が新モデル、23日目がリセット、24日目がdotsへのメッセージ機能、25日目が利用枠の拡大と、改善の日が続いています。改善とリセットの回数の差は4回に広がりました。
同じ日のその他の動き
Codexの更新履歴には、10月29日付でCodex CLI(コマンドラインで使う版)0.166.0が載りました。キーボードでのやり取り履歴の選択と検索、GPT-6.1 TerraをGoogle CloudのVertex AIとAmazon Bedrockの一覧で選べるようにする対応、「codex queue –resume」、ネットワークだけを診断する「codex doctor –network-only」などが加わっています。また、OpenAIの公式Xは日本時間10月30日午前4時59分ごろ、最先端のモデルを見守る監視の仕組みを広げたと発表しました。ただし、これらが28日間宣言の改善にあたるかについて、ソティオ氏は触れていません。
ビジネス利用者にとっての意味
25日目の内容を仕事に生かすなら、次の点を押さえておくとよさそうです。
- Pro 100やPro 500を使っている人は、同じ料金でWorkとCodexをより多く使えるようになった。上限に当たって作業が止まっていた人は、まず今週の使い方で効果を確かめたい
- Pro 200は「減らされずに済んだ」が中心。もともと多い枠を持っていた人は、使える量はこれまでどおりと考えておく
- Plusは変わらないため、上限が足りない場合はPro 100が現実的な選択肢になる。ただし、作業量が2倍になる保証はない
- 会社でChatGPT Businessを使っていて、Codexを多く使う人がいるなら、その人だけBusiness Premiumの席にする選択肢も検討しやすくなった
- 利用枠の条件は短い期間で変わり得る。プランを決めるときは、ヘルプセンターの最新の説明を確認してからにする
まとめ
Codexの「28日間、毎日改善かフルリセット」宣言の25日目は、日本時間10月30日午前1時56分ごろの投稿で、ChatGPTのPro 100/200/500とBusiness Premiumの利用枠を2倍にする、という改善の日になりました。Pro 100とPro 500は実際に2倍に。Pro 200は批判を集めていた削減計画が撤回され、少ない枠になっていた人も多い枠にそろいます。dotsの拡大枠も当面続きます。これで改善は15回、全員向けのリセットは11回、残りは3日です。宣言の最後の3日間も、引き続き追いかけます。
参考リンク
- X(@thsottiaux):Day 25/ We are doubling all usage limits for all Pro 100/200/500 tiers and Business Premium
- X(@thsottiaux):Graduating from The Reset Company to The Token Company.
- X(@ajambrosino):usage limits are back to being double
- OpenAI Help Center:About ChatGPT Pro tiers
- OpenAI Help Center:ChatGPT release notes
- OpenAI Developers:ChatGPT & Codex changelog
- OpenAI Developer Community:2X usage limits for Pro and Business Premium: Day 25 of 28 days
- BleepingComputer:OpenAI doubles ChatGPT Pro usage limits after backlash over planned 50% cut
- AI共創広場:Codex「28日間の改善」24日目はdotsに“メッセージで仕事を頼める”ように——iMessage・RCSに対応、まずは米国のProユーザーから
- AI共創広場:Codex「28日間の改善」22日目(新モデルGPT-6.1 Terra)
- AI共創広場:Codex「毎日改善、できない日はフルリセット」宣言——OpenAIが今後28日間の公開約束


コメント