OpenAIでCodexとChatGPTを率いるティボー・ソティオ(Thibault Sottiaux)氏が続けている「28日間、毎日ひとつ明確な改善を出す。出せない日はフルリセット」という公開の約束は、24日目を迎えました。23日目のフルリセットから一転、24日目は“改善の日”です。中身は、常時稼働のAIエージェント「dots(ドッツ)」に、iPhoneのiMessageやAndroidのRCS(標準のメッセージアプリ)から、友だちにメッセージを送るのと同じ感覚で仕事を頼めるようになった、というもの。dotsのほうから進み具合を知らせてくれるようにもなります。ただし、まずは米国のProプラン利用者向けの試験提供です。この日の発表の中身と注意点、そして中小企業や個人事業主にとっての意味を整理します。
宣言そのものは「毎日改善、できない日はフルリセット」宣言の解説記事、前日の23日目はiCloud連携と見せかけてフルリセットになった日の記事、dotsそのものはdots発表の解説記事で取り上げています。
24日目は「dotsにメッセージを送れるように」
「Day 24/」の投稿は、日本時間10月29日午前10時49分ごろでした。米国西海岸では10月28日(水曜日)の午後6時49分ごろにあたります。
本文を日本語にすると「24日目。ほかの人と同じように、自分のdotにメッセージを送れます。ものを共有したり転送したりするのがとても簡単になり、音声メモを残すこともできます。ちょっと工夫して『Hey Siri、Iggyに〈とんでもないお願い〉とメッセージして』と頼み、あとはのんびり待つ、なんて使い方も」。「Iggy」は、後で紹介するChatGPTの紹介動画に登場するdotの名前です。投稿には、ChatGPTの公式アカウントによる「dotsにメッセージを送れるようになりました」という告知が引用されていました。
24日目の投稿にはリセットへの言及はなく、改善だけの日です。また、ソティオ氏は23日目の最後に「明日は良い知らせとともに会いましょう」と予告していましたが、24日目の投稿では、これがその「良い知らせ」なのかどうかには触れていません。なお、24日目の投稿は執筆時点で表示回数が63万回を超え、返信も1,600件を超えています。
公式Xで公開された紹介動画
ChatGPTの公式Xは、日本時間10月29日午前2時30分ごろにこの機能を発表し、17秒ほどの紹介動画を公開しました。iPhoneのメッセージアプリに「Iggy」という名前のdotから「こんにちは、あなたのdotです。これからはメッセージでも連絡できます」と届き、続けて「金曜日は引っ越しですが、インターネットの移転手続きの確認がまだ見当たりません。手続きを始めましょうか?料金を下げられるキャンペーンがないかも調べておきます」と提案。利用者が「お願い!」と返す様子が映っています。
告知の本文は「ご要望にお応えして、dotにメッセージを送れるようになりました。片付けてほしい仕事や、見張っておいてほしいことを、文字、写真、音声メモで伝えられます。関係のある知らせがあれば、dotのほうから連絡します。iMessageまたはRCSで安全にやり取りでき、dotにメッセージを送れるのはあなただけ、dotが連絡するのもあなただけです。米国のProユーザー向けに、試験版として順次提供を始めます」という内容です。この告知はOpenAIの公式アカウントでも再投稿されました。
dotsへのメッセージ機能でできること・注意点
dotsは、OpenAIが9月末に発表した常時稼働のAIエージェントです。これまでもChatGPTのアプリやSlack、Teamsから仕事を頼めましたが、今回、スマホの標準のメッセージアプリが窓口に加わりました。OpenAIのリリースノートやヘルプページによると、ポイントは次のとおりです。
- iPhoneはiMessage、AndroidはRCSで、dotと1対1でやり取りできる。文字のほか、写真や音声メモも送れる
- メッセージで話したことも、ChatGPTアプリでのdotと同じ記憶やプラグイン(外部サービスとの連携)を共有するので、話の続きをどこからでも始められる
- dotは会話の内容から連絡の手段を選ぶ。「急ぎのときだけメッセージで、いつもの報告はChatGPTに」といった指定もできる。承認が必要な作業は、ChatGPTで確認するためのリンクが届く
- 設定は、ChatGPTでdotのプロフィールを開き「Texting」を選んで電話番号を確認するだけ。dotから届く連絡先を保存すれば使い始められる
- 設定しても、dotやOpenAIがほかの人とのメッセージを見られるようになるわけではない
一方で、注意点もあります。メッセージの送受信には、Linq(リンク)という外部の事業者が使われています。OpenAIは侵入テストなどで安全性を確かめたと説明していますが、メッセージは外部の事業者を経由するため、機密性の高い情報のやり取りには慎重になったほうがよいでしょう。グループでのやり取り、通常のSMS、電話やFaceTimeには対応していません(dotとの通話はChatGPTアプリ内で引き続き使えます)。通信料がかかる場合があり、dotからの連絡を止めたいときは「STOP」と返信します。
そして何より、今回の試験提供は米国のProユーザーの一部が対象で、ChatGPT BusinessやEnterpriseのワークスペースでは使えません。日本の利用者は、現時点ではまだ試せない点に注意が必要です。
24日間の流れ——改善14回、全員向けリセット11回
OpenAI開発者コミュニティで宣言の進み具合をまとめているスレッドも、タイトルが「Text your Dot: Day 24」に更新され、「iMessageやRCSでdotにメッセージを送れるようになった」と整理されています。24日目は改善の日なので、改善は14回目、全員向けのリセットは11回のまま。宣言は残り4日です。
| 項目 | 24日目終了時点 |
|---|---|
| 明確な改善の日 | 14回 |
| 全員向けのフルリセット | 11回(2・6・8・10・13・15・17・18・20・21・23日目) |
| 残りの日数 | 4日 |
直近5日間を見ると、20日目・21日目がリセット、22日目が新モデルの改善、23日目がリセット、24日目がdotsの改善と、改善とリセットが入れ替わりながら進んでいます。改善とリセットの回数の差は3回に広がりました。
同じ日のその他の動き
24日目の“改善”とは別に、同じ日にはOpenAIからほかの発表もありました。OpenAI Developersの公式Xは日本時間10月29日午前8時17分ごろ、「条件を満たすChatGPT ProとBusinessの契約者は、アプリやエージェントを作るためのAPIクレジット(開発者向けサービスの利用料に充てられる枠)を、毎月最大500ドル分受け取れる」と発表しました。ChatGPTの公式Xも同じ内容を告知しています。ただし、これが28日間宣言の改善や、ソティオ氏が予告した「良い知らせ」にあたるのかについて、ソティオ氏自身は何も述べていません。
また、ChatGPTの「Chat」と「Work」が一つにまとまるのでは、という話題がX上で広がったことを受けて、ソティオ氏は日本時間10月29日午前8時35分ごろ、「チームは取り組んでいるが、まだ提供は始まっていない。年内のどこかでChatとWorkの良いところを一つにする計画だが、慎重に時間をかけて進める」と説明しました。CodexとChatGPTの更新履歴には、執筆時点で24日目に対応するCodex側の新しい項目は見当たりませんでした。
ビジネス利用者にとっての意味
24日目の内容を仕事に生かすなら、次の点を押さえておくとよさそうです。
- AIエージェントに仕事を頼む窓口が、いつも使うメッセージアプリにまで広がった。移動中に写真や音声メモで頼み、結果はメッセージで受け取る、という使い方が現実的になる
- ただし、今回は米国のProユーザー向けの試験提供。日本で使えるようになる時期は発表されていないため、今すぐ業務の段取りを変える必要はない
- メッセージは外部の事業者を経由する。使えるようになっても、顧客情報や契約内容など機密性の高い情報は、メッセージではなくChatGPTのアプリ内でやり取りするのが無難
- 会社でdotsを導入する場合も、BusinessやEnterpriseのワークスペースでは今回の機能は対象外。社内ではSlackやTeamsとの連携が引き続き中心になる
- 宣言は残り4日。ProやBusinessの契約者は、別途発表された毎月最大500ドル分のAPIクレジットの条件も確認しておくとよい
まとめ
Codexの「28日間、毎日改善かフルリセット」宣言の24日目は、日本時間10月29日午前10時49分ごろの投稿で、常時稼働のAIエージェント「dots」にiMessageやRCSでメッセージを送れるようになった、という改善の日になりました。文字、写真、音声メモで仕事を頼め、dotのほうからも進み具合を知らせてくれます。ただし、まずは米国のProユーザー向けの試験提供で、日本ではまだ使えません。これで改善は14回、全員向けのリセットは11回、残りは4日です。ソティオ氏が予告した「良い知らせ」が何を指していたのかも含め、引き続き追いかけます。
参考リンク
- X(@thsottiaux):Day 24/ Text your dot just like anyone else.
- X(@ChatGPT):By popular request, you can now text your dot.
- X(@thsottiaux):And it’s done. See you tomorrow for some good news.
- X(@OpenAIDevs):Eligible ChatGPT Pro and Business subscribers can claim up to $500 per month in API credits
- X(@thsottiaux):Team is working on this but it’s not rolling out just yet
- ChatGPT Learn:Text your dot
- OpenAI Help Center:ChatGPT release notes
- OpenAI Help Center:Getting started with your dot
- OpenAI Developers:ChatGPT & Codex changelog
- OpenAI Developer Community:Text your Dot: Day 24 of 28 days of Quality of Life improvements and/or a full Reset
- AI共創広場:Codex「28日間の改善」23日目は“iCloud連携と見せかけて”フルリセット——反映は当日中に完了、「明日は良い知らせ」と予告
- AI共創広場:OpenAIの常時稼働AIエージェント「dots」の解説記事
- AI共創広場:Codex「毎日改善、できない日はフルリセット」宣言——OpenAIが今後28日間の公開約束

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