Anthropicが、AI「Claude」に新機能「Claude Motion(クロード・モーション)」を追加しました。報告書やグラフ、文章、画像をもとに、30秒ほどの短い説明アニメーションを作ってくれる機能で、日本時間10月9日(金)未明に、データを自動更新のダッシュボードにする「Claude Dashboards」とあわせてベータ版(試験提供)として公開されました。
「四半期の業績を全社朝礼で30秒で伝えたい」「取締役会の資料のグラフに動きをつけたい」——そんな場面で、動画編集ソフトを覚えなくても、Claudeに頼むだけで“動く説明資料”が作れるようになります。
この記事では、Claude Motionで何ができるのか、使えるプラン、始め方、注意点、そして中小企業や個人事業主にとっての使いどころを、専門知識がなくてもわかるように整理します。
公式の紹介動画
Claudeの公式YouTubeチャンネルで公開された紹介動画「Introducing Claude Dashboards and Claude Motion」です。自転車シェアの利用データからダッシュボードを作り、それをClaude Motionでアニメーションにする流れが紹介されています(英語)。
Claude Motionとは——自分の資料を「動く説明」に変える機能
Claude Motionは、チャットで頼んだ内容をもとに、短いアニメーションを作る機能です。公式ヘルプによると、出来上がったものは短い動画のように再生され、MP4形式でダウンロードできます。
大きな特徴は、映像を“生成”するAIではないことです。Claudeは、文字・グラフ・図形・画像を動かすための「プログラム(設計図)」を書き、それが動画のように再生されます。公式ブログは、動画生成モデルを使っていないため、実写風の映像やAIが作った人物は出てこない、と明言しています。
料理にたとえると、写真から料理を“それらしく描く”のではなく、レシピを書いてその通りに作るイメージです。レシピなので、「この数字だけ変える」「2つ目の場面だけゆっくりにする」といった部分的な修正をしても、ほかの部分はそのまま残ります。
公式Xで公開された紹介動画
Claude公式Xは日本時間10月9日(金)午前4時ごろ、約1分20秒の紹介動画つきでClaude DashboardsとClaude Motionの公開を発表しました。
使えるプランと提供状況
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供形態 | ベータ版(試験提供) |
| 使えるプラン | Team、Enterpriseプラン(料金表ではFree・Pro・Maxは対象外) |
| 初期設定 | Teamプランは最初から有効。Enterpriseプランは初期状態では無効で、管理者(オーナー)が「組織設定>アーティファクト」で有効化。特定のグループだけに限定することも可能 |
| 追加料金 | 別料金の案内はなく、プランの利用上限の中で消費。長く複雑なアニメーションほど多く消費 |
| 書き出し | MP4でダウンロード。最初は自分だけが見られる状態で、「共有」から共有可能 |
| 他ツールとの連携 | Adobe、Descript、HeyGen、Higgsfield、invideo、Luma AI、Runwayで開いて仕上げ可能。CanvaとCaptionsは近日対応予定 |
日本向けの個別の提供開始日などの案内は見当たりませんが、公式ヘルプセンターは日本語表示にも対応しています。日本語の資料で実際にどこまできれいに仕上がるかは、試しながら確認するのがおすすめです。
始め方と上手な頼み方
公式ヘルプによると、始め方は2通りあります。
- チャットから:いつものチャットで「この四半期報告書を、全社朝礼向けの30秒の説明動画にして」のように頼みます。入力欄の「Output(出力)」から「Motion」を選ぶこともできます。
- アーティファクトのタブから:「Artifacts」タブを開き、Motionのテンプレートを選んで、作りたいアニメーションを説明します。
うまく作るコツとして、公式ヘルプは「誰が見るのか」「どこで流すのか」「だいたい何秒か」を伝えること、そして報告書やデータ、画像を添付して自分の資料から作らせることを挙げています。修正は「2つ目の場面をゆっくりに」「第3四半期の数字を18%に」とチャットで頼むか、エディター画面で自分で直せます。
中小企業・個人事業主の使いどころ
公式が例に挙げるのは、全社朝礼向けの業績説明、取締役会資料のグラフのアニメーション化、新規顧客向けの操作説明、営業キックオフ向けの料金プラン比較などです。身近な業務に置き換えると、次のような使い方が考えられます。
- 月次の売上報告を、朝礼で流す30秒の「動くグラフ」にする
- 新サービスの料金プランの違いを、商談や展示会で流す短い説明にする
- 新しいお客さまや新入社員向けに、申し込みや設定の手順を見せる案内動画を作る
- 採用説明会や社内研修の冒頭で、会社の数字や方針をわかりやすく見せる
一方で、数字や表現の最終確認は人の役目です。もとの資料と数字が合っているか、社外に出してよい情報か、ロゴや画像の使用権に問題がないかは、公開前に必ずチェックしましょう。作ったアニメーションは最初は本人しか見られない状態で保存されるので、確認してから共有する流れにすると安心です。
なお、同時にClaude Docs・Slides・Designはベータ版を卒業し、無料プランを含むすべてのプランで使えるようになりました。会話の中で資料を作る流れについては、AI共創広場の「Claude大型アップデート——チャットとCoworkがひとつに、資料作成も会話の中で」や「Claude for Google Workspace登場」もあわせてご覧ください。
まとめ
Claude Motionは、手元の報告書やグラフを、短い“動く説明”に変えてくれる新機能です。映像を生成するのではなくプログラムで動かすため、数字や言葉を1か所だけ直すといった修正がしやすく、ビジネス資料と相性のよい仕組みになっています。
現時点ではTeam・Enterpriseプラン向けのベータ版で、使うほどプランの利用枠を消費します。Teamプランを使っている会社は、まず次の朝礼や商談で使う1枚のグラフから試してみてはいかがでしょうか。
参考リンク
- Claude公式:Build live dashboards and animate explainers with Claude
- Claudeヘルプセンター:Get started with Claude Motion
- Claude公式:Plans & pricing
- Claude公式X:Claude Dashboards and Claude Motion are in beta today.
- Claude公式X:Claude Motion turns reports, charts, or product walkthroughs into short animations.
- YouTube(Claude公式):Introducing Claude Dashboards and Claude Motion
- Runway:Runway is in Claude Motion
- AI共創広場:Claude大型アップデート——チャットとCoworkがひとつに、資料作成も会話の中で
- AI共創広場:Claude for Google Workspace登場——Googleドキュメント・スプレッドシート・スライドの中でClaudeが直接編集


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