Codex「28日間の改善」5日目は次の一言をAIが先読み——Pro向け「Composer predictions」とスマホで作れる「dots」

コラム

OpenAIでCodexとChatGPTを率いるティボー・ソティオ(Thibault Sottiaux)氏が始めた「28日間、毎日ひとつ明確な改善を出す。出せない日はフルリセット」という公開の約束。5日目は、Codexのデスクトップアプリで「次に送るメッセージ」をAIが先回りして提案してくれる「Composer predictions(コンポーザー予測)」のベータ開始と、常時稼働のAI秘書「dots(ドッツ)」をスマホのChatGPTアプリだけで作れるようになるアップデートの2本立てでした。この日もリセットはなく、「改善」の日です。何が変わったのか、誰が使えるのか、仕事でどう役立つのかを、AIを業務で使うビジネスパーソン向けに整理します。

宣言そのものは「毎日改善、できない日はフルリセット」宣言の解説記事、直前の4日目は作業中の指示が即反映になるステアリングとUltrafastの記事で紹介しています。

5日目は「次の一言を先読みする機能」と「スマホで作れるdots」

「Day 5/」の投稿は、日本時間10月10日午前4時47分ごろ。ソティオ氏は、OpenAIの開発者向け公式アカウント(@OpenAIDevs)によるComposer predictionsの発表を引用して、次のように書いています。

要約すると、「デスクトップアプリのComposer predictions。AIの提案が的確すぎて二度見することも多い。Proプランに含まれ、利用枠は消費しない」という内容です。続く午前4時49分ごろには、「Day 5 (dots edition)/」として2本目の投稿もありました。

こちらは「ChatGPTのモバイルアプリだけで、自分のdotを作ってテキストでやり取りできるようになった。これまでデスクトップやウェブで作った人がたくさんいて驚いた。次は広げる時期だ」という内容です。OpenAI開発者フォーラムの公式まとめスレッドでも、5日目は「Day 5.1:dotsのアップデート」「Day 5.2:Pro向けComposer predictions」の2本立てとして整理されています。ここまでの5日間で、フルリセットは投票で決まった2日目の1回、貯めておけるリセットの配布が3日目の1回で、5日目はリセットなしの改善のみです。

Composer predictions——「次に何て返そう」をAIが下書きしてくれる

Codexは、頼んだ作業をAIが進めてくれる「デジタル部下」です。作業が一段落すると、人は「じゃあ次はこれをお願い」「その部分をもう少し短く」といった追加の依頼を考えて入力します。Composer predictionsは、この「次に送るメッセージ」を、これまでの会話の流れや話し方をもとにAIが先回りして提案する機能です。メールソフトの「返信候補」を、仕事の指示出しにまで広げたものと考えるとわかりやすいでしょう。

@OpenAIDevsの公式投稿には約16秒のデモ動画が付いており、「ベータ版として、Proユーザー向けにCodexのComposer predictionsを開始した」「Codexが会話と話し方に基づいて次のメッセージを提案する」「社内でテストした新機能の中でも、とくに評判が良いものの1つ」と紹介されています。公式の説明では、使い方は次のとおりです。

  • Codexが返事を終えると、入力欄に提案が表示されることがある(毎回出るとは限りません)
  • Tabキーで提案を入力欄に取り込み、必要なら書き直してから送信する(取り込んだだけでは自動送信されません)
  • 設定の「General」→「Composer」→「Show predictions」でオフにできる

対象は、18歳以上で個人のChatGPT Proプランを使っている人が、Codexのデスクトップアプリで行う「ローカル」または「SSH」のスレッドです。使えるモデルはGPT-6 AstraとGPT-6.1 Solで、対応地域ならどこでも使えます。ベータ期間中は、提案を作るための処理がCodexの利用枠やクレジットを消費しないと説明されています。ただし、提案を採用して送信したメッセージは、通常どおり利用枠を使います。WebのChatや他のプランでは使えず、ビジネスやEnterpriseの利用者にはまだ関係しません。

プライバシー面では、提案は「いま開いているスレッドの内容」だけをもとに作られ、記憶(メモリ)や連携アプリの情報を勝手に探しに行くことはないとされています。

dots——スマホだけで「自分専用の常時稼働AI秘書」を作れるように

dotsは、パソコンの前にいなくても、カレンダーやメール、チャットなどを見ながら仕事を進めてくれる「常時稼働のAI秘書」です。発表時の内容はdotsの発表記事で紹介しています。これまで作成できるのはデスクトップアプリかパソコンのウェブ版に限られていましたが、5日目のアップデートで、iPhoneとAndroidのChatGPTアプリから直接作れるようになりました。

ChatGPT公式アカウントの投稿には約2分46秒の動画が付いています。さらにOpenAIの公式YouTubeチャンネルでも、同じ内容の解説動画が公開されています。

公式の紹介動画

モバイル版dotsの開発担当者が、スマホで作成する流れを実演する約3分の動画です。ChatGPTアプリ左上の「Meet dot」から始めると、AI側が自動で会話を始めて準備を進めます。カレンダーやメールをつなぐと、AIが把握できる情報が増えて、任せられる範囲が広がると説明されています。名前やアバターも自由に決められ、動画の中ではAIに話しかけて、スマホアプリの試作づくりをCodexに頼む様子も紹介されています。

更新の中身は、スマホでの作成だけではありません。公式のお知らせでは、次の点が挙げられています。

  • Codexへの仕事の引き継ぎ:dotsがCodexで作業を始めたり、すでにある作業の続きを依頼したりできる。ChatGPTでの会話、Codexの作業履歴、自動化の設定も参照し、「続きから進めるか、新しく始めるか」の判断も上手になった
  • ChatGPT Workのスケジュール済みタスクの確認・編集:「何が予定されているか」を聞いたり、定期作業の内容を変更したりできる
  • 細かな改善:ブラウジングの高速化とスクロールの改善、不要な通知の削減、コードブロックと添付ファイルの表示改善、Outlookの設定のしやすさ、プランや再試行の表示の改善、EnterpriseのWebと音声での接続の安定化

注意点として、モバイルのウェブブラウザでは作成も会話もできません。iPhoneまたはAndroidの最新のChatGPTアプリが必要で、パソコン上のファイルを扱う作業や、ローカルのCodexの作業を頼む場合は、デスクトップアプリでパソコンを接続しておく必要があります。順次提供のため、フォーラムでは「自分のdotがまだ作れない」という声も出ています。

ビジネス利用者にとっての意味

5日目の2つの改善は、方向が少し違います。Composer predictionsは個人のProプラン向けのベータ機能で、対象が限られます。一方、モバイル版dotsは、スマホを使う場面が多い経営者や営業職、現場担当者にとって、AI秘書の入口が一気に広がる改善です。通勤中や移動中にスマホから仕事を頼み、帰宅後にパソコンで結果を確認するという使い方が現実的になります。

実務では、次の3点を意識するとよいでしょう。まず、Proプランでデスクトップアプリを使っている人は、Composer predictionsの提案をそのまま送らず、必ず目を通してから送ること。提案は「下書き」であり、意図とずれることもあるため、編集してから使うのが前提です。次に、dotsを試す場合は、カレンダーとメールの連携を最初に許可する範囲を決めること。つなぐほど便利になりますが、AIが見られる情報も増えます。最後に、会社で使う場合は、管理者がdotsやCodexとの連携をどこまで許可するかを事前に決め、機密情報の扱いのルールを確認しておくことです。

まとめ

Codexの「28日間、毎日改善かフルリセット」宣言の5日目は、Proプラン向けの「Composer predictions」ベータ開始と、スマホのChatGPTアプリだけで作れるようになった「dots」の更新という2本立てでした。Composer predictionsは、次に送るメッセージをAIが先読みして提案し、提案の生成は利用枠を消費しません。dotsは、スマホでの作成に加えて、Codexへの仕事の依頼やChatGPT Workの定期タスクの確認・編集ができるようになりました。ここまでの5日間で、フルリセットは2日目の1回、貯めておけるリセットの配布が3日目の1回です。6日目以降に何が出てくるのか、当サイトでも引き続き追いかけていきます。

参考リンク

この記事を書いた人
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毎日20時間以上AIの実践・研究に没頭するITエンジニア。20年以上にわたり、オンラインゲームや生活関連など幅広いジャンルのオウンドメディアで執筆・編集長を歴任。現在は上場企業グループの代表取締役を務め、複数の事業者団体で理事を兼務する経営者でもある。テクノロジーの最前線に身を置きつつ、地域の商店街や神社の運営にも深く携わるなど、地域活性化にも尽力。圧倒的な現場経験とITの専門知識、経営者の視点から、信頼性の高い有益な情報を発信している。
Olive株式会社 代表取締役

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