Claude Coworkで学習させない設定。モデル改善とメモリは別

暗い粒子の背景に錠とフォルダ、白い3D文字 Claude Cowork コラム

Claude Coworkで社内ファイルを扱うとき、最初に確認したいのが「学習させない」設定です。ただしCowork画面に、学習オフ専用のスイッチはありません。個人向けプラン(Free / Pro / Max)では、アカウント全体のプライバシー設定が、チャットもコーディングもCoworkもまとめて効きます。

ここでいう学習は、よく混ざる二つの話です。ひとつは、会話や作業を将来のClaudeモデルの訓練に使うかどうか。もうひとつは、Claudeがあなたについて覚えるメモリ機能です。公式ヘルプでは別物で、止め方も違います。画面付きで手順を整理します。

名前 この記事での意味 取り違えやすいもの
AIモデルの改善を支援する 会話やコーディングを、将来のモデル訓練に使ってよいか メモリ。覚える機能をオフにしても、訓練への利用は止まりません
チャットからメモリを生成 過去のチャットから、役割や好みを覚える機能 モデル訓練。公式はチャット向けで、Coworkにはまだ引き継がれないと説明
Coworkのグローバル指示 すべてのCowork作業に効く、口調やルールのメモ 学習オフ。ここに「学習しないで」と書いても、訓練設定の代わりにはなりません
Team / Enterprise 商用プラン。公式は、既定では入力をモデル訓練に使わないと説明 ProやMax。有料でも個人プランなら、訓練の可否は自分で選ぶ必要があります

Cowork専用の学習スイッチはない

公式のClaude Cowork案内は、クラウド上の隔離された場所で作業し、セッションとファイルはClaudeアカウントに保存されると説明しています。一方、モデル訓練のオンオフは、プライバシーセンターの「モデル改善のプライバシー設定」で扱われています。対象はClaude Free、Pro、Maxと、これらのアカウントからClaude Codeを使う場合です。

公式文面は「新しいチャットおよびコーディングセッション」です。Coworkという単語は出ていません。個人アカウントでCoworkを使うなら、同じ消費者向け規約の下にある、と見て、このスイッチを先に確認するのが安全です。TeamやEnterpriseは別ページで、既定では入力をモデル訓練に使わない、と説明されています。

モデル訓練を止める手順

公式の手順は次のとおりです。画面の表示は英語の「Help Improve our AI models」のこともあります。日本語では「AIモデルの改善を支援する」です。

  • Claude(ブラウザまたはデスクトップ)を開く
  • 左下などのアカウント名を開く
  • 設定を選ぶ。直接開くなら claude.ai/settings/data-privacy-controls
  • プライバシーを開く
  • 「AIモデルの改善を支援する」をオフにする
Anthropicプライバシーセンターの日本語記事。デスクトップで設定、プライバシー、AIモデルの改善を支援する、の順にオフにする手順
公式:Anthropic Privacy Center「モデル改善のプライバシー設定を変更するにはどうすればよいですか?」の手順。学習オフの本体はここです。

公式によると、オフにすると、新しいチャットとコーディングセッションは今後のモデル訓練に使われません。すでに始まっている訓練や、すでにできたモデルからは取り除けません。以前に保存した会話も、今後の新しい訓練実行には使わなくなる、と書かれています。Claude Codeの公式データ利用ページでは、許可しない場合の保存期間は30日、許可する場合は最大5年、と整理されています。

スマホでも同じです。アカウント名、設定、プライバシー、「AIモデルの改善を支援する」をオフにします。設定はアカウント単位なので、チャットごとに切り替えられません。

メモリは別スイッチ。Coworkにはまだ来ない

「学習」と聞いて、会話の内容を次の回でも覚えている機能を想像する人も多いです。これはメモリです。公式ヘルプでは、設定 > メモリ(古い画面では設定 > 機能)にあり、チャット向けです。Coworkには、いまのところチャットの記憶は引き継がれません。Cowork内のメモリは、プロジェクトの中だけです。

チャットのメモリを止めたい場合は、「チャットからメモリを生成」をオフにします。オフにすると、一時停止(今ある記憶は残すが、使わず、新たに作らない)か、リセット(プロジェクトメモリも含めて消す。取り消し不可)を選ぶ画面が出ます。過去チャットの検索も別トグルで、設定 > メモリの「チャットを検索して参照」です。

Claude設定の Generate memory from chat history トグル。チャットから個人の文脈を覚える機能
公式ヘルプ掲載の画面。「Generate memory from chat history(チャットからメモリを生成)」。青がオンです。オフにしても、モデル訓練の設定とは別です。
Claude設定の Search and reference chats トグル。過去チャットを検索して参照する機能
公式ヘルプ掲載の画面。「Search and reference chats(チャットを検索して参照)」。過去の会話を探す機能で、モデル訓練のオンオフではありません。

グローバル指示に書いても、学習は止まらない

Coworkには、設定 > Cowork から、すべての作業に効くグローバル指示を書けます。口調、ファイルの置き場、確認の取り方など、仕事のルール向きです。公式の説明は「すべてのCoworkセッションに適用される指示」です。ここに「学習しないで」と書いても、プライバシーの訓練スイッチの代わりにはなりません。

Claude Coworkのグローバル指示の入力画面。すべてのセッションに効くメモ欄
公式ヘルプ掲載の画面。Coworkのグローバル指示。学習オフの場所ではありません。

オフにしても残るもの

公式がはっきり書いている例外があります。セーフティ分類器が会話にフラグを付けた場合、内部の信頼と安全のモデル改善、有害内容の検知、ポリシーの実施、安全研究に使われる可能性があります。訓練オフは、将来の一般向けモデルの学習を止める設定であり、安全確認までゼロにするスイッチではありません。

Cowork自体も、許可したフォルダのファイルを読み書きできます。クラウドのセッションはアカウントに残ります。タスクの削除は履歴からすぐ消え、バックエンドからはデータ保持期間に従って30日以内に削除、と公式は説明しています。学習オフと、フォルダを渡す範囲の限定は、別の安全策です。

会社の顧客情報や人事ファイルを扱うなら、個人のProやMaxでスイッチを切るだけでは足りないことがあります。公式は商用プランでは既定で訓練に使わない、としています。中小企業なら、まず個人アカウントで訓練をオフにし、本格利用はTeam以上と入力ルールをセットにする、が無理のない距離です。

まとめ:Coworkの前に、アカウントのプライバシーを見る

Claude Coworkで学習させたくないとき、操作する場所はCoworkタブではなく、設定のプライバシーです。「AIモデルの改善を支援する」をオフにする。メモリは別スイッチで、チャット向けです。グローバル指示は仕事のルール用です。

オフにしても、すでに訓練へ入った分は戻りません。安全確認の例外もあります。画面の文言は英語のままのことがあるので、公式の日本語ヘルプと照合しながら、作業フォルダを渡す前に一度確認するのが確実です。

参考リンク

この記事を書いた人
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毎日20時間以上AIの実践・研究に没頭するITエンジニア。20年以上にわたり、オンラインゲームや生活関連など幅広いジャンルのオウンドメディアで執筆・編集長を歴任。現在は上場企業グループの代表取締役を務め、複数の事業者団体で理事を兼務する経営者でもある。テクノロジーの最前線に身を置きつつ、地域の商店街や神社の運営にも深く携わるなど、地域活性化にも尽力。圧倒的な現場経験とITの専門知識、経営者の視点から、信頼性の高い有益な情報を発信している。
Olive株式会社 代表取締役

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