Codex「28日間の改善」3日目はChatGPTにGPT-6と「Intelligent UI」——有料プランには貯めておけるリセットも

コラム

OpenAIでCodexとChatGPTを率いるティボー・ソティオ(Thibault Sottiaux)氏が始めた「28日間、毎日ひとつ明確な改善を出す。出せない日はフルリセット」という公開の約束。3日目の目玉は、ChatGPTのふだんのチャット画面に最新のAI「GPT-6」が入り、答えを図やボタン、計算ツールなどの“画面”として返す新機能「Intelligent UI(インテリジェントUI)」が使えるようになったことでした。あわせて、有料プランの全アカウントに「好きなときに使えるリセット」が1回分配られています。さらに日本時間10月8日の夕方には、“アンコール”としてクラウドで作業を続ける「Codex Cloud」の出し直しも告げられました。この記事では、3日目に出たものの中身と使い方を、AIを仕事で使うビジネスパーソン向けに整理します。

宣言の内容は「毎日改善、できない日はフルリセット」宣言の解説記事で、2日目の4つの改善と投票によるフルリセットは前回の記事で詳しく紹介しています。

3日目は「GPT-6」と「貯めておけるリセット」の両方

「Day 3/」の投稿は日本時間10月8日午前4時19分ごろ。ソティオ氏は2日目のまとめ投稿を引用しながら、次のように書いています。

要約すると、「今日の大物はChat(ふだんのチャット)へのGPT-6。そして今日はちょっとしたお祝いの日でもある。CodexとChatGPT Workをあわせた利用者が、過去最高の4,000万人に達した。有料アカウント全員に“バンクされたリセット”を入れておく。また明日」という内容です。

2日目は、改善を出したうえで利用者投票の結果を受けて全員の利用枠を即座に満タンに戻す、という展開でした。3日目は、改善(GPT-6)とリセットの両方を最初から用意した形です。ただし今回のリセットは、その場で自動的に回復するものではなく、アカウントに保存しておいて自分の好きなタイミングで使う「バンク型」です。ソティオ氏は続く返信で「米国太平洋時間の今日中には届く」とし、日本時間10月8日午後0時44分ごろには「すべてのアカウントに届いたことを確認した。ここまでの調子はどう?」と投稿しています。

ChatGPTのふだんのチャットにGPT-6が登場

今回の目玉は、OpenAI公式が日本時間10月8日午前3時ごろに発表した「GPT-6とIntelligent UIを、ChatGPTのすべての人へ」です。GPT-6はこれまで、仕事向けの「Work」やCodexで先に使われてきましたが、毎週12億人以上が使うふだんのチャット向けに、新しいGPT-6が用意されました。ソティオ氏も「テキストの先へ進む。12億人に届けるために、モデルとインフラの多くの改善を組み合わせた」とコメントしています。

公式発表によると、提供の順番とモデルは次のとおりです。

プラン提供開始(米国時間)使われるモデル
Plus、Pro、Business、Enterprise10月7日から順次GPT-6 Sol
Free(無料)、Go10月8日から順次GPT-6 Luna

Enterpriseでは、使えるかどうかが社内の管理者の設定によって変わります。また、全員に一斉に切り替わるのではなく段階的な提供のため、まだメニューに出てこない人もいます。なお報道によると、ChatGPTのWorkやCodexで使うモデルは今回の変更の対象外です。GPT-6 SolとLunaそのものについてはGPT-6 SolとLunaの解説記事もあわせてご覧ください。

答えが「読む文章」から「触れる画面」に変わるIntelligent UI

Intelligent UIは、ChatGPTが質問の内容に合わせて、文章・図・操作できる部品を組み合わせて答えを組み立てる機能です。公式の説明では、答えの中にグラフや図解、タップできるボタン、入力フォーム、その場で操作できる仕掛けが入ることがあります。たとえるなら、これまでのChatGPTが「説明の上手な人がメモを書いて渡してくれる」ものだったとすれば、Intelligent UIは「説明しながら、その場で計算表や比較表を作って手元に置いてくれる」ような変化です。

公式は、使い方の例として次の4つを挙げています。

  • アイデアを探る:動く図を使って、仕組みのうち知りたい部分に絞って確かめる
  • ツールを作る:ゲームや計算機、割り勘計算のようなツールを頼むと、会話の中でそのまま使える
  • 概念を学ぶ:図解で理解したうえで、数値を変えると結果がどう変わるかを試す
  • 答えを調整する:答えの中の操作部品を使って、自分の質問や作業に合わせて内容を変える

答えの形は質問によって変わり、比較なら横並び、説明なら動く図解、といった具合です。ふつうの文章がいちばん役に立つ場合は、これまでどおり文章で答えます。特別な指示を書く必要はありません。ビジネスの場面なら、たとえば「料金プランAとBを比較して」と頼んで横並びの比較表を出してもらう、「この条件で月々の返済額を試算して」と頼んで数字を動かせる計算ツールを作ってもらう、といった使い方が考えられます。

もうひとつの変化は、答え始めが早くなったことです。GPT-6は、考え続けながら先に答えを出し始め、あとから詳しい内容を足していきます。OpenAIによると、Web検索が必要な質問では、GPT-6 Instantが答え始めるまでの時間がGPT-5.6 Instantより平均44%早くなりました。ただしこれは「答え始め」までの時間で、答え終わるまでの時間ではない点に注意が必要です。

GPT-6とIntelligent UIの使い方

ヘルプセンターの説明をもとに、使うときのポイントをまとめます。

  • モデルの選び方:モデルのメニューで「GPT-6」を選びます。GPT-6はこれまでの「Latest(最新)」と入れ替わり、Latestを選んでいた人は同じ考える深さのままGPT-6に移ります。一方、あえて「GPT-5.6 Sol」を選んでいた人はGPT-5.6のままなので、GPT-6に切り替える必要があります。
  • 考える深さ:Intelligent UIが使えるのは、InstantからExtra Highまでの段階です。いちばん深い「Pro」はGPT-6 Astraで動いており、Intelligent UIには対応していません。
  • 使える場所:ChatGPTのWeb版と、最新版に更新したスマホアプリです。macOSとWindows向けの古いChatGPTデスクトップアプリは対応していないため、Web版を使うよう案内されています。
  • 利用量:Intelligent UIに別枠の上限はなく、これまでのモデルやプランの利用枠がそのまま適用されます。
  • 図を減らしたい場合:Web版の設定で「Layout and visuals(レイアウトとビジュアル)」をオフにすると、図などの要素が減ります。ただし完全に文章だけの表示に戻すものではありません。

公式の紹介動画

OpenAI公式YouTubeチャンネルでは、紹介動画「Introducing GPT-6 in ChatGPT with Intelligent UI」(約1分10秒)が公開されています。同じ内容の動画は@OpenAIのXにも投稿されており、ChatGPT公式アカウント(@ChatGPT)からも短い紹介動画が出ています。答えが図や操作部品として組み上がっていく様子は、文章よりも動画のほうがつかみやすいはずです。

有料プランには「貯めておけるリセット」が1回分

3日目のもうひとつの柱が、有料アカウント全員への「バンクされたリセット」です。2日目のリセットが「全員の利用枠を、その場で一斉に満タンに戻す」ものだったのに対し、今回は「満タンに戻す権利を1回分、各自の口座に入れておく」ものです。いわば、使う日を自分で選べる回数券のようなものです。

OpenAIのヘルプセンターでは、バンク型リセットの仕組みを次のように説明しています。

  • アカウントに保存され、使うか期限が切れるまで残る1回限りのリセットで、自分で適用する必要がある
  • 「設定」→「使用量(Usage)」で、使えるリセットがあるかと有効期限を確認できる。上限に達したときに使うかどうか案内が出ることもある
  • 「フルリセット」を使うと、5時間ごとの枠と週ごとの枠の両方が回復し、週の切り替え日も変わる
  • リセットで回復する枠がない場合は消費されず、そのまま残る
  • 期限切れになったリセットは、復活や再発行ができない

今回配られたリセットの有効期限は、ソティオ氏の投稿では触れられていません。各自の「使用量」画面で確認しておくのが確実です。前回の記事でもお伝えしたように、全員向けのリセットは予告なしに届くことがあります。手持ちが残っているうちに慌てて使うより、締め切り前など「どうしても今、枠が足りない」タイミングまで取っておくほうが、価値を引き出しやすいでしょう。

アンコールとして「Codex Cloud」の出し直しも

日本時間10月8日午後3時38分ごろには、「Day 3(アンコール)/」と題した投稿がありました。

内容は「Codex Cloudをひっそり出し直した。今はかなり良くなっている」という短いものです。引用しているのは、社内ネットワーク接続サービスのTailscale社の投稿で、同社はブログで「Codex CloudがTailscale対応で出ていた。誰も教えてくれなかった」と、事前の提携なしに対応していたことを驚きとともに紹介しています。

Codex Cloudは、AIへの作業をパソコンの外(クラウド)で進めてもらう仕組みです。プロジェクトに必要な道具一式をそろえた「作業部屋」を一度用意して公開しておけば、パソコンを閉じて寝ている間もCodexが作業を続け、Web・スマホ・デスクトップアプリから結果を確認できます。9月末のDevDayで新しいCodex Cloudとして発表され、Plus、Pro、Business、Enterpriseに順次提供されてきました。使うときは、Web版かデスクトップアプリで新しい作業を始める際に「Work in」→「Cloud」を選び、作業部屋(環境)を選ぶか新しく作ります。現時点ではGitHub上のプロジェクトが前提で、主に開発者向けの機能です。今回の「出し直し」で具体的に何が変わったのかについて、執筆時点(日本時間10月8日夕方)で公式の詳しい説明は見当たりません。

ビジネス利用者にとっての意味

3日目は、Codexの開発者だけでなく、ChatGPTをふだん使いしているすべての人に関係する改善でした。特にIntelligent UIは、「AIに聞いて、答えを読んで、自分で表にまとめ直す」という手間を減らす方向の変化です。見積もりの比較、簡単な試算、社内勉強会の資料づくりなど、「説明を読むより、触って確かめたほうが早い」作業で効果を感じやすいでしょう。

実務では、次の3点を意識するとよいでしょう。まず、モデルのメニューを一度確認すること。GPT-5.6 Solを固定していると、新しい機能が使えません。次に、図や計算ツールで出てきた数字も、最終的には自分で確かめること。見た目が整っていても、前提条件が自分の意図と合っているかは別の話です。最後に、配られたリセットの有効期限をメモしておくこと。期限が切れると取り戻せないため、チームで使っている場合は「誰が、いつ使うか」を決めておくと無駄がありません。

まとめ

Codexの「28日間、毎日改善かフルリセット」宣言の3日目は、ChatGPTのふだんのチャットへのGPT-6の提供開始と、答えを図やボタン、計算ツールとして返す「Intelligent UI」が目玉でした。有料プランは10月7日から、FreeとGoは10月8日から順次使えるようになります。あわせて、CodexとChatGPT Workの利用者が過去最高の4,000万人に達したお祝いとして、有料アカウント全員に自分のタイミングで使えるリセットが1回分配られ、夕方には“アンコール”としてCodex Cloudの出し直しも告げられました。4日目以降に何が出てくるのか、当サイトでも引き続き追いかけていきます。

参考リンク

この記事を書いた人
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毎日20時間以上AIの実践・研究に没頭するITエンジニア。20年以上にわたり、オンラインゲームや生活関連など幅広いジャンルのオウンドメディアで執筆・編集長を歴任。現在は上場企業グループの代表取締役を務め、複数の事業者団体で理事を兼務する経営者でもある。テクノロジーの最前線に身を置きつつ、地域の商店街や神社の運営にも深く携わるなど、地域活性化にも尽力。圧倒的な現場経験とITの専門知識、経営者の視点から、信頼性の高い有益な情報を発信している。
Olive株式会社 代表取締役

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