Codex「28日間の改善」14〜15日目は過去のメッセージを後から編集可能に——15日目は公式番組「COOKED」初回でクラウド環境や新CLIを紹介

Codex Day 14-15 コラム

OpenAIでCodexとChatGPTを率いるティボー・ソティオ(Thibault Sottiaux)氏が続ける「28日間、毎日ひとつ明確な改善を出す。出せない日はフルリセット」という公開の約束。フルリセットだった13日目のあと、14日目と15日目が続けて届きました。14日目は、ChatGPTのデスクトップアプリで、会話の途中にある自分の過去のメッセージを後から書き直せるようになったという改善です。15日目は、OpenAIの開発者向け公式アカウントが始めた番組「COOKED」の初回に乗っかった投稿でした。この回ではCodexの新しい使い方がまとめて紹介されています。どちらの日も、利用枠のリセットはありませんでした。2日分をまとめて、ビジネスで使う人向けに整理します。

宣言そのものは「毎日改善、できない日はフルリセット」宣言の解説記事、直前の13日目はフランス語風の「Le limit reset」でフルリセットだった13日目の記事で紹介しています。

14日目は「過去のメッセージを後から編集」できるように

「Day 14/」の投稿は、日本時間10月19日午前10時18分ごろ。ソティオ氏のXに次のように投稿されました。

内容を日本語にすると、おおよそ次のとおりです。「ちょっとした使い勝手の改善です。デスクトップアプリで、スレッド(ひとつの会話)の中にある過去のメッセージを編集できるようになりました。長いあいだ要望されていたのに、出すまでに時間がかかりすぎてしまいました」。

これまでは、少し前に送った指示の書き間違いや条件の付け忘れに気づいても、直接直すことはできませんでした。新しいメッセージで訂正するか、会話をやり直すしかなかったわけです。OpenAI開発者コミュニティで宣言の進み具合をまとめているスレッドでも、14日目は「直前のメッセージだけでなく、Codexで自分のどのメッセージでも編集できるようになった」と記録されています。

投稿には「送った指示を後から変えられるということ?作業途中に割り込む追加指示(steer)のような扱いになるの?」という質問も寄せられました。ソティオ氏の答えは「タイムトラベルとして扱われる」。途中から口をはさむのではなく、その時点まで時間を巻き戻して、そこからやり直すイメージのようです。

“途中の手順を書き換えて作り直す”という感覚

料理にたとえると、レシピの3番目の手順で「塩小さじ1」と書くつもりが「大さじ1」になっていたとします。これまでは、作り終わった料理に「さっきの塩は小さじだった」と後から言い足すしかありませんでした。これからは3番目の手順そのものを書き直して、そこから先を作り直してもらえる、という変化です。

仕事の場面では、次のようなときに役立ちそうです。

  • 資料づくりを頼んだあとで、対象期間や前提の数字が違っていたと気づいたとき、その指示だけを直してやり直せる
  • 「訂正」のメッセージを重ねずに済むので、会話が整理されたまま残り、AIが古い条件と新しい条件を取り違えにくくなると考えられる
  • 同じ流れで別の条件を試したいとき(A案とB案など)、途中の指示を書き換えて比べやすくなる

対象はデスクトップアプリ(7月からCodexが統合されたChatGPTのデスクトップアプリ)です。編集した地点より後のやりとりがどう扱われるのかは、公式の詳しい説明がまだ見当たりません。確認した時点では、Codexの公式更新履歴(changelog)にもまだ載っていませんでした。巻き戻すと後ろの回答が置き換わる可能性もあるので、残しておきたい結果は先にコピーしておくと安心です。

15日目は「We’re cooked」——公式番組「COOKED」の初回を紹介

「Day 15/」の投稿は、日本時間10月20日午前4時45分ごろ。本文は「We’re cooked」のひと言だけです。OpenAIの開発者向け公式アカウント(@OpenAIDevs)の「Codexで作っているもの、見せます」という投稿を引用していました。

英語の「cooking」には、料理だけでなく「何かいいものを準備中」という意味もあります。ソティオ氏は宣言の期間中、「What’s cooking today(今日は何を仕込んでいる?)」や「アイデアが尽きたのか、何か仕込んでいるのか」と、この言葉を何度も使ってきました。一方「cooked」は、くだけた言い方で「もうお手上げ」「やられた」という意味にもなります。番組名の「COOKED」とかけた言葉遊びのようで、Xの自動翻訳で「終わった」と訳されたことを面白がる利用者もいました。

@OpenAIDevsは日本時間10月20日午前2時ごろ「Codexで何を作っていますか?」と呼びかけていました。午前3時ごろには、Xのライブ配信で番組「COOKED: Ep. 1」を公開。その後、OpenAIの公式YouTubeチャンネルにも「Cooking with Codex: Ep. 1」(約9分)として掲載されています。

公式の紹介動画

番組はOpenAIのメンバーがラーメンを作りながら、Codexや周辺機能の新しい使い方を見せていく“料理番組仕立て”の内容です。

COOKED初回で紹介されたこと

@OpenAIDevsの投稿とYouTubeの動画説明によると、初回で取り上げられたのは次の内容です。

  • 常時稼働のAIエージェント「dots」がラーメンのレシピづくりを手伝い、下ごしらえの段取りを「ChatGPT Space」にまとめる。調理中は音声AIの「GPT-Live-1」が、話しかけながら手順を案内する
  • Codexのクラウド環境:ノートパソコンを閉じたあとも、頼んだ作業がクラウド上で動き続ける
  • Codex CLI(黒い画面で文字を打って使う、開発者向けのCodex)の新機能:声でCodexに話しかける、動いている複数のエージェントを見守る、会話を枝分かれさせて別の作業用コピー(worktree)で進める
  • AI情報を発信する「Forward Future」のマシュー・バーマン(Matthew Berman)氏とブライアン氏がゲスト出演。GPT-6.1 Solの高速モード「Ultrafast」で8ビット風のラーメンゲームを作り、ModRetroの携帯ゲーム機で遊ぶ
  • 利用者がCodexで作った作品の紹介:レトロなシューティングゲームや、自分で描いた馬を走らせる競馬ゲームなど

ビジネスの目で見ると、注目はクラウド環境です。オフィスで頼んだ仕事を、退社して家に帰るあいだも代わりに進めてくれる部下のようなものです。パソコンを閉じても作業が止まらないので、時間のかかる調べものや資料の下書きを任せやすくなります。CLIの「会話の枝分かれ」は、ひとつの企画書をコピーしてA案とB案を別々に練るような使い方にあたります。

なお、紹介されたCLIの新機能が、いつ、どのプランで使えるようになるのかといった細かい条件は、番組の説明文には書かれていません。確認時点の公式更新履歴にも、まだ載っていませんでした。また、15日目のどの部分を「その日の改善」と数えるのかも、ソティオ氏ははっきり書いていません。非公式に進み具合を記録しているXのアカウントは「改善の日」に分類しています。一方、利用者からは「番組の公開を改善に数えるのか」「リセットのほうがよかった」という声も上がっていました。

同じ日のOpenAI発表——COBOLなど古い言語のシステムにも強く

番組とは別に、OpenAI公式Xは日本時間10月20日午前7時30分ごろ、最新モデルの進歩で、COBOL、Fortran、Visual Basicといった“使い手の少ない”プログラミング言語でのソフトウェア開発や移行に強くなったと発表しました。銀行や行政、企業が頼りにしているソフトウェアには、こうした言語で動いているものがあります。投稿では、何十年分もの業務ルールを読み解き、今うまく動いている部分を残しながら新しい仕組みへ移す手助けができる、と説明しています。

古い社内システムの刷新に悩む企業には気になる話です。ただし、対象のモデル名や具体的な性能の数字は、この投稿には書かれていません。OpenAIは、こうしたシステムに取り組むチームに、次に対応してほしい言語や作業を教えてほしいと呼びかけています。

15日間の流れ——改善が2日続き、リセットはなし

15日目までを振り返ると、明確な改善の日は10回あります。1日目の高速化、2日目の4連発、3日目のGPT-6とIntelligent UI、4日目の即時の指示反映、5日目の次の一言の先読み、7日目の作業机の拡大、9日目の保存容量の削減、11日目の満席エラーの削減、12日目の実質的な利用量の増加、そして14日目の過去メッセージの編集です。これに、番組での新機能紹介となった15日目が加わります。全員向けリセットは5回(2日目、6日目、8日目、10日目、13日目。2日目は改善とリセットの両方)です。

14日目にも15日目にも、利用枠のリセットはありませんでした。ソティオ氏は14日目の投稿の数時間前に「タイムラインを飛び出して、道ばたでもリセットをねだられるようになった。配る小さなカードでも作ろうか」と冗談を投稿しています。リセットへの期待は相変わらず高いようです。

ビジネス利用者にとっての意味

14〜15日目の内容を仕事に生かすなら、次の点を押さえておくとよさそうです。

  • デスクトップアプリを最新にしておけば、少し前の指示の間違いに気づいたとき、その指示を直接直してやり直せる。新しい会話を始め直す手間が減る
  • 編集は“巻き戻し”に近い扱いなので、残したい回答や成果物は、編集する前に保存しておく
  • クラウド環境を使えば、パソコンを閉じたあとも作業が続く。退社前に時間のかかる作業を頼み、翌朝に結果を確認する、という使い方がしやすい
  • COOKEDの初回は約9分と短いので、社内でCodexやChatGPTの使い道を話し合うときの“ネタ帳”として、チームで一緒に見るのもおすすめ

まとめ

Codexの「28日間、毎日改善かフルリセット」宣言は、14日目が日本時間10月19日午前10時18分ごろ、15日目が10月20日午前4時45分ごろに発表されました。14日目は、デスクトップアプリで会話の途中にある過去のメッセージを編集できるようにする、長いあいだ要望されてきた改善です。ソティオ氏によれば、その時点に“タイムトラベル”してやり直す扱いになります。15日目は「We’re cooked」のひと言で、新番組「COOKED」初回を紹介しました。番組では、パソコンを閉じても動き続けるクラウド環境や、声で話しかけられるCLIなどが取り上げられています。どちらの日もリセットはありませんでした。宣言は折り返しを過ぎ、残りは13日です。16日目以降も引き続き追いかけます。

参考リンク

この記事を書いた人
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毎日20時間以上AIの実践・研究に没頭するITエンジニア。20年以上にわたり、オンラインゲームや生活関連など幅広いジャンルのオウンドメディアで執筆・編集長を歴任。現在は上場企業グループの代表取締役を務め、複数の事業者団体で理事を兼務する経営者でもある。テクノロジーの最前線に身を置きつつ、地域の商店街や神社の運営にも深く携わるなど、地域活性化にも尽力。圧倒的な現場経験とITの専門知識、経営者の視点から、信頼性の高い有益な情報を発信している。
Olive株式会社 代表取締役

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