OpenAIは、GPT-6 Solの後継としてGPT-6.1 Sol(API名 gpt-6.1-sol)を発表しました。旗艦のGPT-6 Astraに近い実力を、コーディング・パソコン操作・実務の複雑な仕事向けに据えつつ、Astraの標準API料金の約5分の1で使える、という位置づけです。
たとえ話でいうと、Astraが「最難関の案件を任せるエース」なら、GPT-6.1 Solは「エース級の仕事を日常の回転数で回す中核メンバー」です。前世代のGPT-6 Solから約1週間での更新で、同じ料金帯のまま能力を引き上げた点がポイントです。
本稿では、公式発表をもとに、何が変わったのか、料金と使える場所、ビジネス現場での使いどころを整理します。以前のSol/Luna紹介記事とは別の、6.1へのアップデート向けの解説です。
公式Xで公開された紹介動画
OpenAIの公式Xでは、GPT-6.1 Solの紹介動画が公開されています。文章だけでは伝わりにくい「どれくらいの位置づけか」を、短い動画で確認できます。
GPT-6.1 Solとは——Solからの進化とAstraとの距離
公式の言い方をかみ砕くと、GPT-6.1 SolはGPT-6 Solのアップグレードです。エージェント型のコーディング、パソコンの画面操作、資料を読みながらの専門業務など、「手順が長く、道具を使いながら進める仕事」で実力を伸ばした、と説明されています。
ベンチマークの例では、実際のコードベースでのソフト開発課題(DeepSWE)でAstraと同程度の結果を、約5分の1のコストで示した、と公式は述べています。業務用PDFを読んで答える課題や、営業・マーケ・経理など複数ツールをまたぐワークフローでも、前のSolより点数を上げつつ、コストを抑えつつAstraに近づいた、という位置づけです。
パソコン操作の評価でもSolを上回り、科学系の端末作業ではコストを大きく下げつつスコアを伸ばした、とあります。いちばん難しい科学系の研究タスクでは、依然としてAstraが先頭、という公式の線引きも残っています。「全部Astra」ではなく、難易度と予算に応じて使い分ける発想が必要です。
コンテキストは約105万トークン、最大出力は12.8万トークン、知識カットオフは2026年4月30日です。推論の強さ(reasoning effort)は low/medium(既定)/high/xhigh/max。前のSolにあった「none」「minimal」は使えません。ツール連携を使う場合はResponses APIが推奨で、Chat Completions単体でのツール呼び出しには制約があります。
料金と使える場所——誰がどこで試せるか
標準APIの目安(100万トークンあたり)は、入力2ドル、キャッシュ入力0.10ドル、出力10ドルです。入力・出力の表示単価はGPT-6 Solと同じ帯ですが、キャッシュ入力がSolの半額(0.20ドル→0.10ドル)になった点が大きいです。長いマニュアルや社内資料を何度も渡す使い方では、コスト差が効きやすくなります。公式はこれを「標準入力より95%安いキャッシュ」とも表現しています。
| モデル | API名 | 入力 / 出力(目安) | キャッシュ入力 | 向き |
|---|---|---|---|---|
| GPT-6 Astra | gpt-6-astra |
$10 / $50 | 高め(旗艦) | 最難度。最終判断や重い調査 |
| GPT-6.1 Sol | gpt-6.1-sol |
$2 / $10 | $0.10 | Astraに近い実力を日常のコストで |
| GPT-6 Sol(前世代) | gpt-6-sol |
$2 / $10 | $0.20 | 6.1へ移行を検討する帯 |
ChatGPT側では、Plus/Pro/Business/Enterprise/Edu向けに、ChatGPT WorkとCodexで利用可能、と公式は案内しています。通常のChat(会話画面)にはまだ未提供、との注記もあります。開発者はAPIで gpt-6.1-sol を指定します。数日中にCodex向けの「Ultrafast」(トークン生成が最大約8倍速)も予定、とされています。GitHub CopilotでもPro+/Max/Business/Enterprise向けに順次ロールアウトが進んでいます。
ビジネス現場での使いどころ
向いているのは、「調べて・書いて・直す」が続く仕事です。たとえば、複数ファイルにまたがる仕様の整理とコード修正、表や注釈の多いPDFから要点を抜き出す、営業・サポート・経理の定型フローを小さな手順に分けて進める、といった場面です。キャッシュが安いので、同じ社内ルールや商品カタログを何度も読み込ませるエージェントにも向きやすいです。
一方で、料金が下がっても「丸投げ」は危険です。公式も安全性評価を強化したと説明していますが、送信・公開・課金・顧客への最終回答は人が確認する運用が現実的です。Astraとの使い分けは、「失敗コストが高い最終工程はAstra、日々の下ごしらえと反復はGPT-6.1 Sol」と考えると迷いやすいです。
移行時の注意として、旧Solで reasoning.effort: "none" や minimal を使っていた場合は low への置き換えが必要です。ツール呼び出しはResponses API側へ寄せる、という公式ガイドもあります。いきなり全トラフィックを切り替えるより、代表的な仕事で品質とコストを比べてから広げるのが安全です。
まとめ
GPT-6.1 Solは、GPT-6 Solを短期間で強化したモデルです。Astraに近い実力を、標準APIでは約5分の1の料金感で、キャッシュ入力はさらに抑えめ、というバランスが売りです。ChatGPT Work/Codex/API/GitHub Copilotなど、仕事の入り口が広がっています。
現場では「最新モデルを全部使う」ことより、どの工程をAIに預け、どこで人が止めるかを決めることが大切です。公式Xの紹介動画と料金表を見ながら、自社の定番タスクで小さく試すのがよい出発点です。
参考リンク
- OpenAI:Introducing GPT-6.1 Sol
- OpenAI API:GPT-6.1 Sol Model
- OpenAI:Using GPT-6
- OpenAI Deployment Safety:Addendum to GPT-6 Astra System Card: GPT-6.1 Sol
- GitHub Changelog:GPT-6.1 Sol in GitHub Copilot
- X(OpenAI公式):GPT-6.1 Sol announcement
- TechCrunch:OpenAI launches GPT-6.1 Sol

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