AIエージェント「Manus」が、Manus 2.0を発表しました。公式ブログは「単なるバージョンアップではない。新しい設計・新しい製品・新しい能力だ」と位置づけています。
たとえ話でいうと、これまでのManusが「依頼を受けて仕上げてくれる頼れる部下」だとすると、2.0は仕事机そのものに近いイメージです。書類も動画もゲームも、同じプロジェクトの上で作り、手で直し、必要ならクラウドの専用パソコンを借りて動かし続けられます。
本稿では公式ブログとヘルプセンターをもとに、Cascade、Manus Studio、Automations、Cueなど「何が新しくなったか」をビジネス実務の目線で整理します。
公式の紹介動画
公式YouTubeチャンネル「Manus AI」では、Manus 2.0の紹介動画が公開されています。StudioやCueなど、文章だけでは伝わりにくい全体像を短時間で把握できます。
公式Xで公開された紹介動画
公式X(@ManusAI)でも、同じ発表の紹介動画が公開されています。操作感やクリエイティブ寄りの雰囲気を、短い動画で確認できます。
Cascade——必要な道具だけを持ち込む新しい土台
Manus 2.0の中核が、Cascadeです。公式は「社内製のエージェント基盤(agent harness)の最新形」と説明しています。最初から荷物を満載して走らず、案件に必要な専門ツールだけを後から足していく設計です。
料理にたとえるなら、「毎回キッチン全部の道具を広げない。今日のメニューに必要な包丁とフライパンだけ出す」イメージです。ブリーフ(依頼内容)、ページ、動画、自動化までがひとつのつながったプロジェクトとして残りやすい、と公式は述べています。
効率面では、公式が示したある検証構成で、トークン使用が23.2%減、完了時間が28.2%短縮、運用コストが32%減だったと報告されています。全体平均ではなく、ひとつのテスト条件である点には注意が必要です。
Manus Studio——仕上げたあと「自分の手」で直せる仕事机
デスクトップアプリはManus Studioに進化しました。人とAIが同じ作業スペースを共有する場所です。文書・表計算・PDF・スライドから、Webサイト・コード・ゲーム・動画まで、案件に応じた道具だけを取り込みます。
特に目立つ追加がVideo EditorとGame Devです。動画では、AIが作った初稿のタイムラインを受け取り、曲の差し替えや自社撮影の差し込みなど、部分修正ができます。以前のように「一文直したいだけなのに全部作り直し」になりにくいのがポイントです。品質を上げたいときはAlchemy modeで、AIにクリエイティブディレクションを任せる選択もあります。
Game Devは、テンプレートからすぐ遊べる試作を作り、見た目や動きを手で直し、リンク公開やマルチプレイまで進められます。マルチプレイ用の常時サーバーは、後述のCloud Computerで用意する流れです。
AutomationsとCloud Computer——「時間が来たら」から「何かが起きたら」へ
従来のScheduled Tasksは、決まった時刻に仕事を始める仕組みでした。2.0のAutomationsでは、接続したサービスで「何かが起きたとき」にも起動できます。新しいメール、広告パフォーマンスの変化、カレンダー予定、Slackメッセージ、Notionの更新などがトリガー例です。
「毎朝9時にレポート」だけでなく、「取引先からメールが来たら下書きを用意」といった、現場の合図に合わせた動き方がしやすくなります。設定は、何を監視し何をするかを一文で伝える形が中心、と公式は説明しています。
一方、Cloud Computerは、ノートPCを閉じても動き続けてほしい案件向けの専用環境です。マルチプレイのゲームサーバーや、常時動く自動化の置き場として購入できます。Remote ControlとComputer Useを組み合わせると、外出先のスマホから自宅(またはクラウド)のパソコンへ声で指示し、画面を見ながら作業を進められます。操作対象は許可したファイル・ブラウザ・アプリの範囲に限定されます。
Cue——名刺を持った個人エージェントのチーム
CueはManusと同じ基盤の上に立つ、別アプリの個人エージェント向け製品です。各エージェントに独自のメール・電話番号・ウォレット・コンピュータが付き、メッセージ送信や予算内の支払い、自分のマシン上での作業完遂が可能、と公式は述べています。着信を受けて要約を残す使い方も紹介されています。
グループチャットに複数エージェントを入れ、調査・候補絞り込み・資料下書きを分担させる「チーム」運用も想定されています。方向性の決定と最終判断は人が行う、という前提です。レストランのQRから注文や順番待ちを任せる、といった日常寄りの例も公式ブログにあります。
Cueは現在アーリーアクセスで、招待コードがあれば無料利用できます。公式は限定数の先行コードとしてMEETCUEを案内しています(先着)。Web・デスクトップ・モバイルで利用でき、iOSはApp Store審査後に提供予定、と発表時点で述べられています。
利用開始と料金の見方
公式発表では、Manus 2.0はWeb・デスクトップ・モバイルで利用可能とされています。2.0専用の別料金プランが新設された、という公式の明示はブログ上では見当たりません。利用量は従来どおりクレジット制のプラン体系(Free/Pro/Teamなど)の延長で見るのが安全です。Cloud Computerは別途購入のアドオン扱いです。最新の金額は公式の料金ページで確認してください。
中小企業や個人事業の現場では、いきなり全部を任せるより、「下書き→人が確認→公開」の小さな輪から試すのが現実的です。Video Editorで社内向け短い説明動画の初稿を作り手直しする、Automationsで問い合わせメールの要約を用意する、Cueで調査係と資料係を分ける——といった切り方がわかりやすい入口になります。
まとめ
Manus 2.0の要点は次のとおりです。
- Cascadeで、必要な道具だけを足しながらプロジェクトをつなぐ新しい土台
- Manus Studioで、AIの初稿をタイムラインや編集パネルから人が仕上げられる
- AutomationsとCloud Computerで、「起きたら動く」「閉じても動き続ける」仕事が増える
- Cueで、メールや電話を持つ個人エージェントのチーム運用が始まる(招待制・無料の先行枠あり)
チャットで答えてもらう段階から、成果物を机の上で一緒に直す段階へ——それがManus 2.0の実務的な意味合いです。興味のある方は、まず公式の紹介動画とブログを確認し、小さな案件から試してみてください。
参考リンク
- Manus公式ブログ:Introducing Manus 2.0
- Manusヘルプセンター:What is new in Manus 2.0?
- 公式YouTube:Introducing Manus 2.0(Manus AI)
- 公式X:@ManusAI — Introducing Manus 2.0
- Manus公式サイト:manus.im


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