日本語で話して書くならどれ?Speakly・タイプレス・Mac版Geminiを比較

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メールや議事メモを、キーボードではなく声で書きたい人は増えています。最近のAI音声入力は、「えーと」などのつなぎ言葉を取り除き、話し言葉を読みやすい文章へ整えて、いま開いているアプリへ直接入れてくれます。料理でいえば、材料を並べるだけでなく、味を整えて皿に盛りつけるところまでやってくれる道具です。

日本語で比較されやすいのが、Gensparkの「Speakly(スピークリー)」、音声入力専用の「タイプレス(Typeless)」、Mac版Geminiの「どこでも音声入力」です。この記事では、できること、価格、操作性、注意事項の4点で整理します。2026年9月時点の公式案内が基準です。

先に結論:日本語なら3つとも候補。違いは広がり方

日本語の仕事文を声で入れたいなら、3つとも使えます。SpeaklyとタイプレスはWindowsやスマホにも広がり、タイプレスは無料枠が広めです。Mac版Geminiは追加料金なしで始めやすく、画面の内容を見ながら書き直しや要約まで頼めます。

開始時の公式案内は英語からでしたが、実際のMacでは日本語でも音声入力できています。ヘルプには「英語のみ」と残っている記載もあります。機能が出ない場合は、Geminiアプリを最新版にしてから試すとよいでしょう。

3サービスを一覧で比較

比べる点 Speakly タイプレス Mac版Gemini
できること どのアプリでも音声入力。つなぎ言葉の削除、翻訳やビジネス文への書き換え、会議メモ、Gensparkへの作業依頼 どのアプリでも音声入力。つなぎ言葉の削除、翻訳、選択した文章の書き換え、アプリごとの文体調整 どのアプリでも音声入力。文章の書き直し、ファイル要約、画像生成。画面の内容を見て作業できる
日本語 対応。100以上の言語を案内。文中で言語を混ぜても自動検出 対応。100以上の言語を案内。文中で言語を混ぜても自動検出 日本語でも使える。開始時の公式案内は英語からで、ヘルプに英語のみと残る記載あり
価格 無料は週4,000語。初回7日間は無制限。有料のGenspark Plus以上で音声入力は無制限 無料は週8,000語。Proは年払いで月12ドル、月払いで月30ドル Macアプリ自体は無料。どこでも音声入力も追加の月額は必須ではない
操作性 MacはFnキー長押しが標準。離すと文字が入る。ダブルタップでエージェント起動 MacはFnキーが標準。音声入力、翻訳、質問用のショートカットを使い分ける Fnキー長押しで開始、離して送信。長い文章はFnを2回押してハンズフリー
使える環境 Mac(Apple Silicon / Intel)、Windows、iPhone、Android Mac、Windows、iOS、Android Apple Silicon搭載Mac、macOS Sequoia 15.0以降
注意事項 ネット必須。会議メモやエージェント機能はクレジット消費。固有名詞の直しすぎに注意 ネット必須。ドル建て。年払いと月払いで価格差が大きい。インボイス番号は出ない Intel Mac非対応。画面共有や推論は任意設定。公式ヘルプと実機の言語案内がずれている

出典:各公式サイト・ヘルプ(2026年9月時点)。料金は米ドル表示。日本円は為替で変わります。

Speakly:Gensparkと連携する音声入力

Speaklyは、AI検索・作業サービス「Genspark」が提供する音声入力アプリです。メール、チャット、文書、ブラウザ、プログラムを書く画面など、文字が打てる場所ならほぼどこでも使えます。公式はタイピングの約4倍速いと案内しています。実際の速さは話す内容や周囲の静かさで変わります。

できることは、ただ文字にすることではありません。話した「えーと」「あのー」を取り除き、言い直しをくみ取り、箇条書きや段落に整えます。翻訳モード、ビジネス文への書き換え、パソコンの命令文への変換など、よく使うルールをショートカットに登録できます。文章を選んで「もっと丁寧に」「英語にして」と話す使い方も案内されています。

ほかの2つと大きく違うのは、Genspark本体とのつながりです。ショートカットを2回押すと、調べもの、スライド作成、表計算、文書作成を声で依頼できます。会議の録音、字幕、翻訳、音声ファイルの文字起こし「Meeting Notes」もあります。人名や社内用語は、辞書に最大8,000件まで登録できます。

価格は、Gensparkの会員区分に連動します。無料は週4,000語までで、毎週月曜0時(UTC)にリセットされます。初めて使う人は7日間、音声入力を無制限で試せます。友達を招待して相手が使い始めると、双方に30日分が付与される案内もあります。Genspark PlusまたはProなら、音声入力そのものはクレジットを使わず無制限です。Plusの入口は公式案内で月額24.99ドル(年払いなら約19.99ドル)、Proは月額249.99ドル(年払いなら約199.99ドル)です。クレジット量に応じた上位料金もあります。

注意したいのは、無制限なのは「音声で文字を入れる機能」である点です。エージェントへの作業依頼や会議メモは、無料期間中でもクレジットを消費します。クレジットは、回数券のような利用枠だと考えてください。

操作性は、MacではFnキーを押しながら話し、離すとカーソル位置へ文章が入る流れが標準です。長押しがつらい長い原稿向けに、押し始めと終わりだけキーを押すハンズフリーもあります。初回はマイクと、ほかのアプリへ文字を入れるための権限(アクセシビリティ)を許可します。Gensparkアカウントでログインするため、別途Speakly専用の会員登録は不要です。

注意事項は、インターネットが必要なことです。音声はクラウドで文字になり、整った文章が戻ってきます。オフラインでは動きません。つなぎ言葉を消す過程で、社内用語や慣用句まで直されることがあります。よく使う固有名詞は辞書へ入れておくと安心です。有料会員向けの無制限音声入力などの特典は、公式が2026年12月31日まで保証すると案内しています。

タイプレス:文章の整え方に特化した音声入力

タイプレスは、音声入力そのものを本業にするサービスです。Speaklyのように広いAI作業台を抱えるのではなく、「話した内容を、自分が丁寧に打ったような文章にする」ことに力を置いています。Mac、Windows、iPhone、Androidで、メール、チャット、メモなど文字を入れる場所全般に使えます。

できることは、つなぎ言葉の削除、重複の削除、言い直しの反映、翻訳、選択した文章の書き換えです。アプリごとにトーンを変えられる点も特徴です。社外メールは丁寧に、社内チャットは短く、という切り替えを毎回指示しなくて済みます。ささやき声モード、自分の言い回しに合わせる学習、個人辞書もあります。公式は100以上の言語に対応し、文中で言語を混ぜても自動検出すると案内しています。

価格はわかりやすい二段構成です。無料は週8,000語、標準精度です。本格利用のProは、年払いなら月あたり12ドル(年額144ドル)、月払いなら月30ドルです。画面に大きく出る「12ドル」は年払いの月換算なので、毎月払うと約2.5倍になります。学生は学校メールの確認でProが半額になる案内があります。大きな組織向けのEnterpriseは見積もり制で、会社の共通ログイン、利用記録の保管、医療情報の契約などが含まれます。

無料枠はSpeaklyの週4,000語より広いため、「まず日本語で毎日試す」用途には始めやすいです。一方、長い報告書を毎週書く人は、無料枠を早めに使い切る可能性があります。

操作性は、MacではFnキーが標準です。セットアップではマイクとアクセシビリティの許可、マイクテストまで案内されます。音声入力、翻訳、質問のショートカットが分かれているので、「今は文字を入れる」「今は英語にする」「今は選んだ文を直す」を切り替えやすい設計です。Google、Apple、メールでログインできます。

注意事項は、こちらもネット必須であることです。公式の料金表では、音声はクラウドで処理し、学習には使わず、履歴は端末側に残す、と案内されています。ただし声そのものは一度サーバーへ送られるため、社外秘や個人情報は社内ルールを確認してから使ってください。決済はドル建てで、日本の適格請求書(インボイス)番号は出ません。経費の証拠としては、カード明細と英語の領収書をセットで保管する運用が現実的です。

Mac版Geminiの音声入力:画面を見ながら頼める作業アシスタント

Mac版Geminiの「どこでも音声入力」(英語名 Speak to Window)は、2026年7月29日に発表された機能です。Fnキーを押したまま自然に話すと、整えた文章が作業中のアプリへ入ります。Geminiのチャット画面を開いてコピーする必要がありません。開始時は英語からでしたが、日本語でも使えます。

標準の音声入力では、つなぎ言葉を消し、途中の言い直しを反映し、箇条書きや段落に整えます。設定で「推論を使用」をオンにすると、話した内容が「そのまま書いて」なのか「直して・要約して」なのかを見分けます。文章を選んで短くする、トーンを変える、デスクトップのPDFや画像を選んで要点を出す、声で画像を作ってカーソル位置へ入れる、といった作業が案内されています。

動画:Google公式ブログ「Gemini for macOS adds new natural language capabilities」

価格は、Mac版Geminiアプリ自体が無料です。どこでも音声入力も、追加の月額なしで使えます。画像生成や高度な自動化など、一部機能はGoogle AIの有料プランが必要な場合があります。音声入力だけを見るなら、追加課金は必須ではありません。

操作性は単純です。カーソルを置き、Fnキーを長押しして話し、離すと送信されます。長い文章はFnを2回押して録音を始め、もう一度押して終了できます。Gemini本体の呼び出しはOption+Spaceが標準です。ショートカットは設定で変更できます。

注意事項は、公式の文章と実機の差です。2026年7月の発表とヘルプには「まず英語」「英語でのみ」と残っています。一方で、実際のMacでは日本語で話して、作業中のアプリへ文章を入れられます。ヘルプが追いついていない段階なので、使えないときはアプリの「アップデートを確認」を試してください。

機械の条件は厳しめです。公式の製品ページではApple Silicon搭載Mac専用、macOS Sequoia 15.0以降です。ヘルプではメモリ8GB以上、インストール用に200MB以上、安定した通信も挙げられています。Intel Macは対象外です。段階配信のため、条件を満たしてもまだ画面に出ないことがあります。推論をオンにすると画面の内容を使うため、機密資料を開いたまま使うかどうかは、会社のルールで判断してください。

どれを選べばよいか

Macだけでよく、料金を抑えたい人はGeminiが向きやすいです。日本語でも使え、画面の資料を指さして「これをもとにメールを書いて」と頼めます。Windowsやスマホでも同じ習慣にしたい人、無料で多めに試したい人はタイプレス(週8,000語)です。すでにGensparkを使っている、会議の文字起こしや調べものまで声でつなぎたい人はSpeaklyが向きやすいです。

3つを同じ日本語のメール文で試し、固有名詞の正確さ、文章の自然さ、待ち時間を比べるのが失敗しにくいです。Geminiは無料で画面の内容まで扱える一方、Mac専用です。タイプレスとSpeaklyは端末の幅が広く、専用の辞書や文体の調整が厚いです。

3つともMacの標準ショートカットにFnキーを使いやすいため、同時に入れると取り合いになります。併用するなら、どれか1つのショートカットを別のキーへ変えてください。音声をクラウドへ送る点も共通なので、契約書、顧客の個人情報、社外秘は、人が打つ従来の入力に残す判断も必要です。

まとめ:日本語は3つとも使える。選ぶ基準は端末と付帯機能

日本語AI音声入力は、「話した内容をきれいにして、作業中の画面へ入れる」ところまで来ています。SpeaklyはGensparkの作業機能と会議メモまで広がる万能型、タイプレスは文体の整え方に強い専用型、Mac版Geminiは無料で画面を見ながら編集まで進める作業型です。

公式ヘルプが英語のみと書いていても、実際のMacでは日本語で使えます。まずはGeminiで無料の感触をつかみ、辞書や複数端末、会議メモが必要になったらタイプレスやSpeaklyを足す、という順でも十分です。

参考リンク

この記事を書いた人
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毎日20時間以上AIの実践・研究に没頭するITエンジニア。20年以上にわたり、オンラインゲームや生活関連など幅広いジャンルのオウンドメディアで執筆・編集長を歴任。現在は上場企業グループの代表取締役を務め、複数の事業者団体で理事を兼務する経営者でもある。テクノロジーの最前線に身を置きつつ、地域の商店街や神社の運営にも深く携わるなど、地域活性化にも尽力。圧倒的な現場経験とITの専門知識、経営者の視点から、信頼性の高い有益な情報を発信している。
Olive株式会社 代表取締役

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