GPT-6 Astraとは?数日中にChatGPTへ展開、追加料金は不要

GPT-6 Astraのプレミアム3Dロゴ調アイキャッチ コラム

OpenAIが、新しい主力モデル「GPT-6 Astra」を発表しました。人がパソコンの前で行う作業、たとえば画面を見ながらの入力、調べものの要約、資料づくりまでを、より速く正確に代行できるとしています。有料のChatGPTでは、いま契約している利用枠の中で使え、追加の月額料金はかからない見込みです。まずは一部の組織から始まり、数日中に広く届きます。画面操作の雰囲気は、公式Xの短い動画でも確認できます。

公式Xで公開された紹介動画

公式Xでは、パソコン上で人ができることをAstraが代わりに速く進める様子を、短い動画で確認できます。文章だけでは伝わりにくい操作感を把握しやすいので、本文とあわせて見ると理解しやすくなります。

画面を見て作業するデジタル部下

正式名称は「GPT-6 Astra」で、開発者が使う窓口では「gpt-6-astra」という名前になります。OpenAIは「世界で最も賢く、人の意図に最も忠実なモデル」と位置づけています。チャットで質問に答える係から、あなたの仕事机に座ってマウスとキーボードを動かすデジタル部下へ、一歩進んだ存在です。

ウェブのフォーム入力、顧客管理画面の更新、カレンダーの整理、調べた内容の要約、ソフトのインストールと動作確認まで、人が画面を見ながら進める作業を任せられるとしています。前の世代「GPT-5.6 Sol」と比べ、パソコン操作の実力を測る試験「OSWorld 2.0」では72.6%(Solは65.7%)でした。1件あたりの所要時間も、約75分から約40分へと47%短くなったと説明しています。

誰が使えるか、追加料金はかかるか

提供は段階的です。発表当日は限られた組織向けから始まり、数日中にChatGPTのPlus、Pro、Business、Enterpriseへ広がる予定です。既存プランの利用枠内で使え、Astra専用の追加料金はかかりません。枠を超えて使う場合は、追加のクレジットを買えます。Pro、Business、Enterpriseでは、上位の「GPT-6 Astra Pro」も使える予定です。

ただしEnterpriseは、最初から全員が使えるわけではありません。管理者が職場の設定で有効にするまで止まります。会社のパソコンで急に新しいAIが動き出すのを防ぐ、いわば鍵のかかった引き出しです。開発者向けにはOpenAI APIとAmazon Bedrockでも提供されます。APIの標準料金は、文章を処理する単位であるトークン100万あたり、入力10ドル、出力50ドルです。急がせたいときは、料金が標準の2倍になる代わりに最大2倍速く処理するFast modeもあります。

使う場所ポイント
ChatGPT(有料プラン)数日中に展開。既存の利用枠内で使え、追加の月額料金は不要
Enterprise最初はオフ。管理者が有効にするまで使えない
API / Amazon Bedrock名前は gpt-6-astra。標準は入力10ドル、出力50ドル(100万トークンあたり)

資料づくりと、あいまいな指示への対応

パソコン操作だけでなく、仕事の成果物づくりも強化点です。手元の型に沿って、スライド、文書、表計算を、自分の文体やデザインの好みに合わせて作れるとしています。会社のフォーマットを「社内常識アタッチメント」として覚えさせるイメージです。

指示があいまいなときの判断も上がったと説明しています。足りない情報のうち、決まりきったことは前後の文脈から補い、結果を左右する点だけを確認してきます。途中で「表も足して」と頼んでも、最初の依頼や制約を忘れずに続けるとしています。たとえば「来月の会議資料を整えて」とだけ伝えても、日付や参加者はカレンダーから拾い、金額の扱いなど大事な点だけ聞いてくる、という使い方です。

すべての指標で首位というわけではない

ただし、すべての試験で他社を上回ったわけではありません。幅広い難問を集めた「Humanity’s Last Exam」では57.2%で、Anthropicの「Claude Fable 5.1」の65.0%を下回りました。第三者評価機関Artificial Analysisの総合指数でも、Astraは約61、Fable 5.1は約66です。

パソコン操作や資料づくり、数学の難問では大きく伸びた一方、総合力ではまだ追いついていない分野もあります。新しいモデルが出たからといって、今使っているAIをすぐ全部乗り換える必要はありません。得意な作業、料金、社内のルールを見て選ぶ段階です。

強い能力に合わせた安全策

能力が上がるほど、使い方の枠を守ることが大切になります。OpenAIは8月、Astraのサイバー関連の能力が社内基準で最も高い区分に達した可能性を排除できないとして、開発の一部を止めていました。今回出す版では、攻撃に転用できる高度な作業は拒否します。セキュリティの防御側が弱点の確認などに使う機能は、審査を通った組織向けの「OpenAI Daybreak」で、今後数週間かけて段階的に広げる予定です。

また、難しい課題を与えられても許可された範囲の外へ出ないかを試す評価では、前モデルが範囲を超えた割合が48%だったのに対し、Astraは0%だったとしています。デジタル部下に仕事を任せるなら、勝手に別の部屋へ入り込まないことが前提です。一方で、考えの過程を外から見守りにくくなった点は、同社も課題として認めています。

まとめ:まずは小さなPC作業から試す

GPT-6 Astraの要点は、追加の月額料金なしで、画面を見ながらの作業を任せやすくなることです。ただし届くのはこれから数日かけてで、会社利用は管理者の許可が必要な場合があります。全部の分野で首位というわけでもありません。まずはフォーム入力や資料の下書きなど、やり直しが効く小さな作業から試すのが現実的です。公式の紹介動画とあわせて、自分の仕事のどこに合いそうかを見てみるとよいでしょう。

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この記事を書いた人
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毎日20時間以上AIの実践・研究に没頭するITエンジニア。20年以上にわたり、オンラインゲームや生活関連など幅広いジャンルのオウンドメディアで執筆・編集長を歴任。現在は上場企業グループの代表取締役を務め、複数の事業者団体で理事を兼務する経営者でもある。テクノロジーの最前線に身を置きつつ、地域の商店街や神社の運営にも深く携わるなど、地域活性化にも尽力。圧倒的な現場経験とITの専門知識、経営者の視点から、信頼性の高い有益な情報を発信している。
Olive株式会社 代表取締役

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