Gemini 3.8 Liveとは?会話を止めずに裏で作業するGoogleの音声AI

コラム

Googleが、話しながら調べものや作業を進められるリアルタイム音声モデル「Gemini 3.8 Live」と、推論を強めた「Gemini 3.8 Live Extended Thinking」を発表しました。会話の途中で映像を見たり、裏でツールを動かしたりできるのが特徴です。

本稿はGoogle公式ブログ、開発者向け発表、モデルカードをもとに、何が新しいか、どこで使えるか、ビジネスでどう試すかを整理します。

公式の紹介動画

Google for Developersが公開した、Gemini Live APIの最新アップデート紹介です。

何が発表されたか

Googleは2026年9月15日(現地時間)、リアルタイム音声向けの新モデル「Gemini 3.8 Live」と、推論を強めた「Gemini 3.8 Live Extended Thinking」を発表し、同日から展開を始めました。会話用Live系としては、3月のGemini 3.1 Flash Live以来の大きな更新で、テキスト向けのGemini 3.8 Flashとも世代が揃います。

3.8 Liveは、規模の大きい運用とコスト効率を意識した標準寄り。Extended Thinkingは、複雑で複数手順の仕事向けに知能と多段階推論を厚くした上位寄り、と公式は位置づけています。どちらも「話す相手」だけでなく、話しながら作業を進める音声エージェント寄りの設計です。

性能面では、Extended ThinkingがArtificial AnalysisのSpeech to Speech Quality Indexで総合1位(82.6)、エージェント的な音声タスクの指標でも上位を示した、と公式は紹介しています。数字はベンチマーク上のものなので、現場では自分の用途で一度試すのがおすすめです。

会話を止めない仕組み

いちばんわかりやすい変化は、会話を止めずに裏側で処理を進められることです。3.8 Liveは映像入力をほぼリアルタイムで文脈に取り込み、対応する日本語を含む97言語を会話の途中で自動判別して切り替えます。ツール実行やAPI呼び出しは裏で進むため、「了解です」と返しつつ、完了を待たずに話を続けられます。

Extended Thinkingは、推論と発話を同時に進めます。「確認しますね」など先に言葉を返して間を埋め、複数手順の進み具合を音声で説明しながら進める、という使い方が公式デモでも示されています。手描きスケッチから画面部品を作る、予約の複数ステップを代行する、といった重い作業向けです。いわば、電話しながら別の手続きを進めてくれる同僚に近い感覚です。

生成した音声には、人間には聞こえにくい電子透かし「SynthID」が入ります。AIが話した音声だと後から判別しやすくするための仕組みで、公式のモデルカードでも安全面とあわせて触れられています。

どこで使えるか

一般向けでは、3.8 Liveが「検索Live」、Extended Thinkingが「Gemini Live」で同日から広がると公式は説明しています。Google Workspaceでは、ドキュメントがGoogle AI Pro/Ultra向け、GmailとKeepがGoogle AI全プラン向けにExtended Thinkingを使い始める流れです。Gemini Liveや検索Liveでの利用に追加料金はない一方、Workspace内は有料プラン前提、と報道でも整理されています。

開発者はGemini APIとGoogle AI Studioから利用でき、モデル名は「gemini-3.8-live」と「gemini-3.8-live-extended-thinking」です。開発者向けブログではLive API経由の料金目安(音声入力・出力の分単位)も示されています。企業向けはGemini Enterpriseで限定プレビュー、顧客対応向けやWorkspace法人への拡大も予定されています。

実務では、まず検索LiveやGeminiアプリで「話しながら調べる・続ける」感触を試し、社内で使うならWorkspaceの対象プランと権限を確認するのが近道です。音声エージェントを自社サービスに載せるなら、公式のLive APIとパートナー経由の配信基盤を見てから設計するとよいでしょう。

まとめ

Gemini 3.8 Liveは、滑らかな音声会話に映像理解と裏処理を足した標準モデル、Extended Thinkingは話しながら深い推論と複雑な手順を進める上位モデルです。検索LiveやGeminiアプリから触れられ、Workspaceや開発者向けAPIにも広がっています。

まずは無料で触れる一般向け画面で体感し、社内導入や自社アプリ化はプランとAPIの範囲を公式ページで確認するのが安全です。デモ動画と公式ブログをあわせて見ると、向いている作業のイメージがつかみやすいです。

参考リンク

この記事を書いた人
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毎日20時間以上AIの実践・研究に没頭するITエンジニア。20年以上にわたり、オンラインゲームや生活関連など幅広いジャンルのオウンドメディアで執筆・編集長を歴任。現在は上場企業グループの代表取締役を務め、複数の事業者団体で理事を兼務する経営者でもある。テクノロジーの最前線に身を置きつつ、地域の商店街や神社の運営にも深く携わるなど、地域活性化にも尽力。圧倒的な現場経験とITの専門知識、経営者の視点から、信頼性の高い有益な情報を発信している。
Olive株式会社 代表取締役

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