「チラシを作らないといけないけれど、何を書けばよいかわからない」「デザインを外注するほどではないが、手作り感も出したくない」。小さなお店や地域の事業者では、こうした悩みがよくあります。AIを使うと、チラシ作成の最初の一歩をかなり軽くできます。
今回の週間AI活用事例では、チラシ作成を「企画」「文章」「デザイン確認」の3段階に分けて考えます。いきなり完成品をAIに丸投げするのではなく、人間が判断しやすい小さな単位で使うのがポイントです。イベント告知、キャンペーン、店舗案内、求人チラシなど、幅広い場面で応用できます。
まずは誰に何を伝えるチラシかをAIと整理する
チラシ作成で最初に決めるべきなのは、デザインではなく「誰に、何を、どう行動してほしいか」です。たとえば、近所の主婦向けに新しいランチメニューを知らせたいのか、地域の高齢者向けに無料相談会を案内したいのか、若い世代にイベント参加を促したいのかで、言葉も見せ方も変わります。
AIには、まず目的整理を任せると便利です。「美容室の春キャンペーンチラシを作りたい。対象は30〜50代女性。初回来店を増やしたい。訴求ポイントを5つ出して」と頼むと、切り口の候補が出ます。そこから自分の店に合うものだけを選びます。最初から完璧な文章を作るのではなく、チラシの方向性を決める壁打ち相手として使うのが安全です。
キャッチコピーと本文は複数案を出して比べる
チラシの印象は、キャッチコピーで大きく変わります。ただし、1案だけをAIに出してもらってそのまま使うと、どこか無難で弱い文章になりがちです。おすすめは、AIに「やさしい雰囲気」「緊急感がある雰囲気」「地域密着の雰囲気」「高級感のある雰囲気」など、方向性を変えて複数案を出してもらうことです。
本文も同じです。たとえば「A4チラシ用に、見出し、説明文、特典、申込方法をそれぞれ短く作って」と依頼すると、紙面に載せやすい部品に分けられます。さらに「文字数を半分にして」「中学生にもわかる表現にして」「売り込み感を弱めて」と調整すれば、実際のチラシに近づきます。AIは文章を一発で決める道具ではなく、比較して選ぶための下書き作成係と考えると使いやすくなります。
Canvaや画像生成AIでデザインのたたき台を作る
文章の方向性が決まったら、CanvaのテンプレートやAI機能、ChatGPTやGeminiの画像生成を使って、デザインのたたき台を作れます。Canvaなら、チラシやポスターのテンプレートを選び、AIで作った見出しや本文を入れて、写真、色、余白を整えていく流れが現実的です。
画像生成AIを使う場合は、完成チラシを丸ごと作らせるより、背景画像、イメージ写真、アイコン素材など、部品として使う方が失敗しにくくなります。文字入り画像は誤字が出ることもあるため、重要な文字はCanvaやPowerPointなどの編集画面で人間が入れ直すのがおすすめです。印刷する場合は、QRコード、電話番号、営業時間、価格、住所の間違いがないか必ず人間が確認します。
おすすめの指示文
最初に使いやすい指示文は、次のようなものです。目的、対象者、伝えたい内容、行動してほしいことを入れると、AIの回答が具体的になります。
- 地域の主婦向けに、平日ランチの来店を増やすA4チラシを作りたいです。キャッチコピーを10案出してください。
- 整体院の初回体験キャンペーン用チラシです。見出し、説明文、特典、予約方法を短く整理してください。
- この文章をチラシ向けに、もっと短く、わかりやすく、親しみやすい表現に直してください。
- Canvaで作る前提で、A4チラシのレイアウト案を3パターン提案してください。上から順に何を置くかも説明してください。
- 印刷前に確認すべきチェックリストを作ってください。電話番号、価格、QRコード、開催日、住所を含めてください。
まとめ:チラシ作成はAIに丸投げせず小さく分担する
チラシ作成でAIを使うときは、完成品を一発で作ろうとしないことが大切です。企画を整理する、コピー案を出す、本文を短くする、レイアウト案を作る、印刷前チェックリストを作る。このように作業を分けると、AIの得意な部分を活かしながら、人間が最終判断できます。
特に小さなお店や中小企業では、毎回ゼロから考える負担を減らせるだけでも大きな効果があります。まずは過去に作ったチラシやチラシに載せたい情報をAIに渡し、見出しと構成案だけ作らせるところから始めるのがおすすめです。

