米OpenAIは2026年9月29日(米国時間)、DevDayで常時稼働型のパーソナルAIエージェント「dots」(ドッツ)を発表しました。公式の表記は小文字の「dots」です。
これまでのChatGPTが「相談相手」だとすれば、dotsは仕事を預かったまま進めてくれる「デジタル部下」に近い存在です。頭脳はGPT-6 Astraで、エージェントごとに専用のクラウドパソコンを持ち、目標に向かって24時間動き続けます。ChatGPTだけでなく、SlackやMicrosoft Teamsからも同じdotsに話しかけられます。
本稿では公式発表とヘルプを中心に、dotsが何をするのか、クラウド専用PCの意味、Teams/Slack連携、使えるプランと始め方、任せるときの注意点を整理します。
公式の紹介動画
公式YouTubeチャンネル「OpenAI」が公開した紹介動画です。常時稼働のイメージや、仕事を任せる流れを短く確認できます。
dotsとは何か——常時稼働のデジタル部下
公式はdotsを「remarkably capable, always-on agents built to handle everything」(何でも扱える、常時稼働のエージェント)と説明しています。一度きり答えて終わるチャットではなく、目標や責任範囲を渡すと、会話の合間も作業を続け、進捗や判断が必要なときに戻ってくる設計です。
動力源はGPT-6 Astra。プラグイン経由で4,000以上のアプリにつながり、調査・資料作成・ソフト開発の補助など、接続した道具の範囲で進めます。社内のOpenAIでは、Slackにバグ報告が出るとdotsがすぐ調査を始めたり、新しいデザインを動くアプリに落としたりといった使い方が紹介されています(いずれも公式の利用イメージです)。
「今日はまず1体のプライマリdotsに名前を付けて自分用にする。将来は複数のdotsがチームとして動く」というロードマップも示されています。企業向けには、調達や請求など役割を決めたスペシャリストdotsのパイロットも始まっており、MicrosoftのAgent 365との連携も進めている、と公式は述べています。
専用パソコンはクラウド上——自分のPCは任意
話題になりやすい「専用PC」ですが、公式の意味はOpenAI側が用意するクラウド上のパソコンです。新品の物理マシンを買うイメージではありません。dotsは自分用のクラウドPCとブラウザを持ち、そこで調べたり作業したりします。ユーザーはいつでもその画面を開いて、途中経過を確認できます。
自分のノートPCを使わせるかどうかは別設定で、初期はオフです。ChatGPTデスクトップアプリでそのPCを接続し、許可した場合だけ、ローカルのファイル操作や、クラウドブラウザが使えないサイトへの対応などが可能になります。企業ワークスペースでは、管理者がローカル接続を許可するかどうかも制御できます。
また、手が空いているときは接続済みアプリを読み取り専用で見回る「proactive research」(先回り調査)もできます。勝手にメール送信や内容変更までは行わず、本格的な操作は通常の承認ルールに従う、というのが公式の線引きです。
ChatGPT・Slack・Teamsで同じdotsにつながる
dotsとのやり取りは、ChatGPTのデスクトップ・Web・モバイルでメッセージや音声通話ができます。加えて、SlackとMicrosoft Teamsにも接続でき、ChatGPTで始めた案件をチームのチャネルに持ち出しても、文脈を持ち越せると公式は説明しています。SMSなどのテキストメッセージ対応も今後予定されています。
作成はデスクトップアプリ、またはデスクトップのブラウザ版ChatGPTで行います。モバイルでは作成できず、モバイルWebも非対応です。作ったあとはモバイルアプリから会話できる想定で、Slackなどのメッセージ連携もデスクトップ側でつなぐ流れです。
Enterpriseでは、dotsの利用自体がベータで初期オフです。管理者が「Use dots」と「Slack/Teamsへの追加」を許可したうえで、各メンバーが接続設定を完了する必要があります。また、dotsを指示できるのは原則オーナー本人で、他メンバーのメンションだけでは動き始めない点もヘルプに明記されています。
誰が使えるか、料金の考え方、任せるときの注意
提供はChatGPTのProとBusiness Premiumから、対象地域へ順次ロールアウトです。公式ヘルプは「eligible markets(対象市場)」と書き、報道・二次解説ではProのEEA/スイス/英国は対象外と整理されています。Enterprise(Edu・Healthcare含む)は管理者がベータをオンにしたときだけ試せます。18歳未満は利用不可です。
Pro/Business Premiumでは最初の1体が追加料金なしで含まれます。dotsとの会話は通常のChatGPT利用枠に加算しない、一方でCodexやChatGPT Workへ委任した作業は従来どおり枠を消費する、という区別がヘルプにあります。追加のdotsや速度・月間作業量の拡張は将来機能で、価格は未発表です。ローンチ直後は深い作業の枠が広がる期間がある、とも案内されています。
安全面では、カスタムルールと自動レビュー(auto-review)で「勝手に進めてよい/毎回確認/本人が操作」を分けます。パスワード変更や送金など特に繊細な操作は本人の引き継ぎが必須です。公式も「dotsは間違えることがある」と明言しているため、送信・公開・課金の前は人が最終確認する運用が現実的です。
まとめ
OpenAIのdotsは、GPT-6 Astraを載せた常時稼働エージェントで、専用のクラウドパソコン上で目標に向かい続けます。物理的な専用端末ではなく、必要なら自分のPC接続も選べる仕組みです。ChatGPTに加えSlack・Teamsでも同じ相手に話せる点が、チーム仕事との相性を意識した設計と言えます。
まずはPro/Business Premiumの対象ユーザーが1体を試し、権限と承認ルールを小さく決めてから任せる範囲を広げるのがよさそうです。公式紹介動画とあわせて、クラウドPCの中身を覗く体験を一度見ると、「答えるAI」と「動くAI」の違いが掴みやすいでしょう。
参考リンク
- OpenAI:Introducing dots
- OpenAI Help:Getting started with your dot
- OpenAI Help:Manage dots in ChatGPT workspaces
- OpenAI Help:Dots privacy, security, and safety FAQs
- YouTube(OpenAI公式):Introducing dots, always-on agents built to handle everything.
- TechCrunch:OpenAI launches Dots, its bubbly agentic avatar

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